Abstract #4006

Association between 3-year (yr) disease free survival (DFS) and overall survival (OS) delayed with improved survival after recurrence (rec) in patients receiving cytotoxic adjuvant therapy for colon cancer: Findings from the 20,898 patient (pt) ACCENT dataset.


A. de Gramont, for the Adjuvant Colon Cancer Endpoints (ACCENT) Group

背景と目的

我々は2004年にAdjuvant Colon Cancer Clinical Trials(ACCCT)において5-FUベースの治療を受けた患者を対象に、5年OSと3年DFSの関連について検証し、相関を認めると報告した。
しかしながら、再発後の生存期間は5-FU単独での1年から近年の新治療(oxaliplatin, irinotecan, bevacizumab, cetuximab, panitumumab)の登場により約2年に延長した。
今回、ACCENTのデータベースを用いて、近年のACCCTのエンドポイントの改善を検証した。

対象と方法

ACCENTによって18の臨床試験から集められた20,898人の5-FUベースの補助療法を受けたステージII、IIIの結腸癌患者を対象とした。
再発後の長期生存の影響を評価するために、ACCENTで再発をきたした症例の再発後の生存期間が2倍になり、その他のすべての因子は同等であったと仮定した。
分析では新治療は再発率に影響するが、再発のタイムパターンには影響しないと仮定した。

結果

20,898例中7,269人例(35%)に再発をみとめた。再発後の生存期間中央値はオリジナルで12ヵ月であり、仮定したデータセットでは24ヵ月であった。
仮説のデータセットにおいて、3年DFSと5年OSの相関性は低下していたが(図1)、オリジナルデータセットにおいてほどではないが、3年DFSと6年、7年OSには強い相関が認められた(図2)。






結論

再発後の生存期間の延長により3年DFSと5年OSの相関性が低下する。
3年DFSをOSの代用的指標とするには、再発後の生存期間に影響する因子にもよるが、6年から7年の観察期間が必要と思われる。

コメント

結腸癌補助化学療法に関するエンドポイントの共同研究(ACCENT)では2004年に3年DFSが5年OSと相関することを報告し、これを受けて米国FDAのoncology drug advisory committee (ODAC)は2004年に結腸癌の術後補助化学療法の申請には3年DFSをエンドポイントとすることを推奨してきた。近年、再発大腸癌の化学療法による生存期間が延長してきたため、仮に再発後の生存期間が2倍になったと仮定してACCENTのデータを再計算したものを報告した。その結果、3年DFSは5年OSとは相関が弱くなり、むしろ6年、7年OSとよく相関するようになるとの結果であった。あたりまえのような結果ではあるが、これはあくまでもsimulationであり、術後oxaliplatin使用例では再発後の治療成績が若干不良であることなどを考慮すると、実際にはDFSとOSは益々相関しなくなることが予想される。補助化学療法のエンドポイントとしてはDFSが適切と思われるが、DFSは不確実性が高い評価尺度であることを熟知し、きめ細かいfollow-upが要求されることを熟知すべきであろう。

(レポーター:佐瀬 善一郎 監修:寺島 雅典)