がんの告知はKさん,家族(妻)にとって,これまでの人生で最大のBAD NEWSの1つであると考えられます。そのため,告知を行う場合は,まず説明のための十分な時間を確保する必要があります.その際,もしできればPHSなどはつながないよう,事前にスタッフに伝えておくなどの配慮が求められます.この点で,【S:環境設定】が不十分です.また,事前の検査時に「胃がんが疑われる」と伝えてあるのですから,Kさん,家族(妻)とも「早く結果が聞きたい」というよりはむしろ「不安と緊張でいっぱい」であると考えられます.そのため,着席後すぐに検査結果を伝えることは【RE:情緒的サポート】が欠けており,好ましくありません.「寒い日が続いていますが体調はいかがですか?」,「検査をたくさん受けて大変でしたね」といった時節の挨拶や個人的な関心事など,Kさんの気持ちをやわらげる言葉かけ(【RE:安心感の提供】)ができると良いでしょう.
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