「それでは検査結果ですが・・・」と前置きしたうえで,「内視鏡検査の際,採取した組織からがん細胞がみつかりました.すなわち,Oさんの病気は大腸がんです」と伝えた.Oさんは明らかに落胆した表情を見せ,うつむき加減になったので,間髪をいれず,手術により治癒も期待できることを伝え,診断根拠や治療法について,なるべく多くの情報を途切れることなくOさんに伝えた.
「少し残念なお話になるのですが」とOさんの心の準備を促したうえで,「内視鏡検査の際,採取した組織からがん細胞がみつかりました」と伝えた.Oさんは明らかに落胆した様子であった.長い沈黙が続いたので,「ある程度覚悟されていても,実際に“がん”と聞かされて驚かれたことでしょう.大丈夫ですか」と声をかけた.その後Oさんから説明を続けて欲しいと言われたので,なるべく専門用語を避け,Oさんの理解度を確認しながら説明を続けた.
「予想されていた結果かもしれませんが」と前置きしたうえで,「内視鏡検査の際,採取した組織からがん細胞がみつかりました.すなわち,Oさんの病気は大腸がんです」と伝えた.医師は,Oさんは若年で,また医療従事者なので詳しい説明が必要と考え,診断根拠を丁寧に説明していたがその途中でOさんから「ところで先生,治療は手術なのでしょう?」と問われ,「治療のことは後で話しますので今はこの説明を聞いてください」と答え,説明を続けた.