私は、縁あって平成8年から大阪府立成人病センターに勤務することになりました。ひよっこ研修医の時期、意味もわからず? 「自分はoncologistになりたい!」と当時、自治医科大学血液内科の病棟医長だった畠清彦先生(現、癌研有明病院の化学療法科部長)に申し上げ、「それなら、血液内科に入局しなさい」といわれたのを思い出します。
時代は流れて? 私もoncologistの仲間入りを果たしました。常日頃心がけていることを書きとめてみました(最近、日本航空機内誌で養老孟司先生の『ルールがトラブルを回避する』)というエッセイを読み、俄かにルールに仕立ててみました)。
ルール#1) 抗がん剤の適応外使用を止めましょう!
患者さん一人ひとりが大事なのは当然ですが、抗がん剤化学療法は、その適応やルールが決められています。Massを大事に考えないと、individualは生かせないと考えています。症例報告を頼りに、医師の裁量権で適応やルールを無視し、医療事故を起こして抗がん剤化学療法を悪者にすることは、医師一人ひとりが戒めなければいけません。欧米のように、それぞれの治療についてのルールを守るべきだと思います。
ルール#2) チーム医療で対応
医師−患者間の信頼関係は非常に大切です。しかし、一人の医師が大勢の患者さんに対して、責任を公平に(!)持つということは非常に大変なことです。精神科などの他科ドクターや専門看護師、管理栄養士、ソーシャルワーカーなど多種多様な職種の医療関係者が、患者さんに関わっていく「チーム医療」を実践したいと、私は思います。患者さんのプライバシーに考慮する必要はありますが、密室的な医療行為から、よりオープンな医療行為を目指したいものです。そうすれば、化学療法だけではなく、支持療法についても目が向くことになると思います。
ルール#3) 欧米に負けないトライアル
私の専門は「膵臓癌」ですが、欧米では症例数300以上の試験が、毎年のように発表されています。私たちが診療に用いるエビデンスは常に欧米の受け売りになっているのが現状です。医療制度の違いもあるでしょう、大学閥の影響も大きいかもしれませんが、私たちは、私利私欲を排してナショナルスタディに症例を集積する努力をするべきだと思うのです。
おわりに
本センターでは、本年春から「臨床腫瘍部」がスタートしました。私は、消化器癌以外の乳癌や肺癌、原発不明癌を通して、再び腫瘍学を勉強するチャンスを得ました。広告になりますが、私たちと一緒に腫瘍学、特に消化器癌を勉強したい若い医師(レジデント)を求めています。希望者は、直接私にご連絡ください。
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