大村:まずBBP肯定派の先生方にうかがいます。KRAS 野生型の切除不能大腸癌患者のうち、BBPを行うべきとお考えになるのはどのような症例でしょうか。
佐藤:基本的には切除が完全に不能で、1st-lineがL-OHPベース + Bevacizumabで有効であった症例は、2nd-lineでCPT-11だけを入れ替えてBBPを狙うのが、最も適した使い方だと思います。
吉田:そうですね。1st-lineでBevacizumabを含む治療が長期間継続・成功している症例では、BBPが有効ではないかと思います。
大村:BBP否定派の先生はいかがでしょうか。
松本:やはりエビデンスが得られるまでは、BBPを行うべきではないと思います。私は2nd-lineでは全例を対象に、抗EGFR抗体に切り替えます。
瀧井:特に「1st-lineで一度もPRが得られなかった症例」や「PRやSDの期間が非常に短い症例」は、治療薬を全面的に替えるべきだと思います。
大村:エビデンスに基づく医療を行うことは、日本の医療の先を照らしていく非常に重要な考え方だと思います。BBPが真に有用な治療であるかどうかは、現在進行中の前向き試験7, 8)によりいずれは明らかになるわけですが、我々も実臨床で薬剤を使用しながら、エビデンス構築に積極的に協力してきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。