消化器癌治療の広場
BAD NEWSのGOODな伝え方
Answer1 Case:結腸がん


Aを選んだ方

 うつむいて涙ぐんでしまったOさんに対して,しばらく間をおくことは【RE:感情を表出しても受け止める】【RE:沈黙の時間をとる】の二つの意味があり,BAD NEWSを伝える際には大変良い対応です.また,「当然ですよね・・・」(【RE:気持ちを肯定する】)や「驚かれましたよね」(【RE:いたわる言葉をかける】)といった言葉かけもされており,【RE:安心感と心的サポート】が多く使われた,とても良い対応だと考えられます.

Bを選んだ方

 残念ながら,積極的治療の中止を告知されたOさんの気持ちを受け止めた対応(【RE:感情を表出しても受け止める/気持ちを肯定する】)ができているとは言えません.
 この場面でもっとも大切なのは,即答することではなく,感情を表出したOさんの気持ちを理解し,共感を示すことです.これらの点でBの対応は,【RE:安心感と心的サポート】が欠如していると言えます.

Cを選んだ方

 Oさんの「もうだめっていうことですか?」に対してオープンクエスチョンで問いかけている(【RE:気がかりを探索する】)点は良いのですが,Oさんは,うつむいて涙ぐんでしまっています.この状況で即座にこのような質問をするのは,あまり適切でなかった可能性があります.文脈や語調にもよりますが,探索的質問が必ずしもいつも良い応答であるとは限りません.
 まずは,Aの対応のように,しばらく間を置いたり(【RE:感情の表出を受け止める】),「大丈夫ですか?」(【RE:いたわる言葉をかける】)などの言葉かけをして,いったん患者の気持ちを受け止めることが重要です.