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日本における食道癌周術期治療の変遷
加藤
本日は「食道癌に対する周術期治療戦略」をテーマに、わが国と海外の治療戦略の違い、また、昨今のがん免疫療法薬の臨床試験結果を実臨床でどのように活かしていくのかについて、食道癌領域に精通したエキスパートの先生方にご参加いただき、ディスカッションしたいと思います。
それでははじめに、食道癌の周術期治療の変遷、そして日本と海外でのその相違について、室先生に解説いただきます。よろしくお願いいたします。
室
食道癌の罹患率に関しては特徴があり、女性と比較して男性で高いだけでなく、明らかな地域差がみられます。よく知られていることですが、食道癌は東アジアで罹患率が高く、人口10万人あたりの罹患率は、英国6.4人、米国2.8人、オーストラリア3.0人などに対して、モンゴル17.1人、バングラデシュ14.8人、中国13.8人、日本7.2人に上ります1)。また、東アジアでは扁平上皮癌が92〜93%と圧倒的に多く、腺癌は3〜5%に過ぎないのに対して、西ヨーロッパでは扁平上皮癌30〜50%、腺癌50〜70%と組織学的にも地域差があります1)。
さて、現在の食道癌補助療法は術前化学療法が標準治療ですが2)、そこに至るまでの変遷をJCOGが実施した臨床試験、そして海外の主な臨床試験に基づいて簡単に振り返りたいと思います。国内においては、始まりは手術単独に対してCisplatin+Vindesineによる術後化学療法が生存期間を延長させるか否かを検討したJCOG8806(1988〜1991年)です3)。しかし、その後に食道癌に対するより有効な抗癌剤は、Cisplatin+5-FUであること4)を受けて、JCOG9204(1992〜1997年)が実施されました5)。本試験では、手術単独とCisplatin+5-FUによる術後化学療法が比較された結果、手術単独ではなく、手術+術後化学療法が食道癌の標準治療となりました。
このように日本では術後化学療法中心に補助療法の試験が行われてきたなかで、世界では術前化学療法が中心的に実施されていました。そこで続いて行われたのが、術前または術後のどちらで抗癌剤(Cisplatin+5-FU)を投与すべきか検討したJCOG9907です6)。その結果、食道癌補助療法は、Cisplatin+5-FUの術前投与が標準治療となりました。現在は、この標準治療を対照として、より強力な術前化学療法(DCF:Docetaxel+Cisplatin+5-FU)または術前化学放射線療法(Cisplatin+5-FU+放射線療法)の有用性を比較検討するJCOG1109(NExT Trial)が実施されており、今後最終解析の結果が報告される予定です。【座談会後の追記:JCOG1109試験の解析結果は本記事の掲載前に学会にて発表済み】
食道癌周術期治療 ―海外での動き―
室
一方、欧米ではメタ解析の結果から、手術単独と比較した術前化学療法の全生存期間延長効果は腺癌では明らかに認められるものの、扁平上皮癌では十分ではないことがわかってきました7)。また、術前化学放射線療法は手術単独よりも全生存期間を延長させ、その効果は組織型に依存しないことが明らかとなり7)、術前化学放射線療法優位の方向に動いていきます。決定的なエビデンスとなったのは、CROSS試験です8)。本試験では局所進行食道癌を対象に、手術単独と術前化学放射線療法(Carboplatin+Paclitaxel+放射線療法*1)+手術を比較しました。本試験の結果によって、扁平上皮癌の標準治療は術前化学放射線療法となりました。
また、別の流れとして、海外では周術期化学療法も検討されています。腺癌の割合が高い欧州では、T2以上またはリンパ節転移陽性の切除可能胃癌/食道胃接合部腺癌を対象に、周術期化学療法としてのFluorouracil+Leucovorin+Oxaliplatin+Docetaxel(FLOT)療法*2とEpirubicin+Cisplatin+FluorouracilまたはCapecitabine(ECF/ECX)療法*3を比較するFLOT4-AIO試験が実施されました9)。その結果、欧州においてはFLOT療法*2による周術期化学療法も標準治療の一つとして位置付けられるようになりました。一方、扁平上皮癌における周術期化学療法に関しては、中国で実施された術前化学療法との比較試験の結果から、その有用性が確認されています10)。
日本における食道癌周術期治療戦略をどのように考えるべきか、JCOG1109の結果が待たれます。また、最近、FLOTプロトコール*2とCROSSプロトコール*1を比較するESOPEC試験が実施されており11)、この結果が注目されています。
References
- 1)GLOBOCAN 2020
- 2)日本食道学会編:食道癌診療ガイドライン2017年版、2017
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- 6)Ando N, et al.: Ann Surg Oncol. 19(1): 68-74, 2012 [PubMed]
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- 8)van Hagen P, et al.: N Engl J Med. 366(22): 2074-2084, 2012 [PubMed]
- 9)Al-Batran SE, et al.: Lancet. 393(10184): 1948-1957, 2019 [PubMed]
- 10)Zhao Y, et al.: J Thorac Oncol. 10(9): 1349-1356, 2015 [PubMed]
- 11)Hoeppner J, et al.: BMC Cancer. 16: 503, 2016 [PubMed]
- *1:Carboplatin+Paclitaxel+放射線療法は本邦未承認
- *2:Fluorouracil+Leucovorin+Oxaliplatin+Docetaxel(FLOT)療法は本邦未承認
- *3:Epirubicin+Cisplatin+FluorouracilまたはCapecitabine(ECF/ECX)療法は本邦未承認
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日本における食道癌術後治療の現状
加藤 先生方は、現時点での食道癌の術後治療について、どのように考えていらっしゃいますか。
室 DCFあるいはCisplatin+5-FUによる術前化学療法を実施したのであれば、基本的に術後治療は行わないのが標準治療となっていますね1)。
山ア ガイドライン上はそのようになっていますので、私も基本的に術後治療は実施していません。ただし、なかには何もせずにはいられないと思うケースもあります。例えば、リンパ節転移数が多い(≧pN2)症例のように再発リスクの高いケースです。
本山
私たちも術前治療を行った場合は、基本的に術後治療は実施しないという方針をとってきました。リンパ節転移の個数が多い症例に対しては、山ア先生と同じく課題と考えています。
cStage IIIの症例の5年生存率を考えると2)、術前化学療法でも術前化学放射線療法でも私たちは食道癌をコントロールできているとはいえない状況にあります。最適な治療が何なのかはまだ明らかではありませんが、現状の治療でよいというわけではないと思います。
References
- 1)日本食道学会編:食道癌診療ガイドライン2017年版、2017
- 2)https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/4_esophagus.html
食道癌術後治療の課題
加藤 術前治療を実施した場合に術後治療は実施しないのが標準的ですが1)、それで十分ではないというのが先生方に共通した見解かと思います。術後治療に関しては課題が2つあると考えます。まず1つ目は、JCOG9907で検討された術後治療としてのCisplatin+5-FUは、術後治療としてはやや負担が大きかったと思われることです2)。2つ目は、DCFを用いた術前化学療法例において、術後の化学療法の投与では効果が十分とは言えないかもしれないことです。これに関しては、術前治療の標準治療が5-FU+Cisplatinであるため、術後はタキサン系薬が候補になると思います。現状では、このような術後治療しか検討できないのですが、先生方はどのようにお考えでしょうか。
山ア Cisplatin+5-FUあるいはDCFを、周術期治療として術前治療と術後治療の両方で投与したことがあります。しかし、術前後の併用療法は患者への負担が大きかった可能性があり、特に術後に多剤併用療法を実施するのは現実的には厳しいと実感しました。Paclitaxel単剤を術後に投与したことがありましたが、pN2以上の症例を対象として術後療法を行ったところ、有害事象で中止となる症例は5%弱でしたが、明らかな予後改善効果は認めませんでした3)。したがって、現在考えられる術後化学療法には限界があると考えられ、食道癌の場合はやはり術前治療を入れることが大事だと思います。
加藤 室先生には、先ほど海外では周術期化学療法、つまり術前化学療法、術後化学療法が検討されていることをご紹介いただきましたが、海外では実臨床でも導入されているのでしょうか。
室 標準的な治療は、CROSS試験4)に基づいた術前化学放射線療法(Carboplatin+Paclitaxel+放射線療法*1)+手術だと思います。FLOT4-AIO試験5)に関しては、やはりfeasibilityの問題があり、術後化学療法の実施率は40〜50%でしたので、実臨床では導入しにくいというのが現状なのではないでしょうか。術後は負担のない治療を実施するのが妥当だと思います。
加藤 そうすると、先生方はがん免疫療法薬であれば術後治療として実現可能性が高いと考えますか。
本山 そのように思います。現在の手術侵襲度は、JCOG9204やJCOG9907の時代と比較すると小さく、術後の患者の全身状態は良好だと思います。しかし、免疫状態が大きく乱れていて、ここに細胞障害性化学療法を実施してもどれだけの効果を発揮するのかが疑問です。
References
- 1)日本食道学会編:食道癌診療ガイドライン2017年版、2017
- 2)Ando N, et al.: Ann Surg Oncol. 19(1): 68-74, 2012 [PubMed]
- 3)Matsuura N, et al.: Esophagus. 18(3): 559-565, 2021 [PubMed]
- 4)van Hagen P, et al.: N Engl J Med. 366(22): 2074-2084, 2012 [PubMed]
- 5)Al-Batran SE, et al.: Lancet. 393(10184): 1948-1957, 2019 [PubMed]
- *1:Carboplatin+Paclitaxel+放射線療法は本邦未承認
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術前治療は化学療法か?化学放射線療法か?
加藤 では、術前治療は化学療法か化学放射線療法のどちらが相応しいのでしょうか。
本山 現在進行中のJCOG1109試験1)の結果がすべてだと思います。後でも述べますが、私自身は局所制御に優れるのは化学放射線療法だと考えており、T3症例、Bulky N症例に対して実施しています。ただし、T2N0症例、いわゆるcStage IIの症例に関しては手術単独でコントロールできますので、必ずしも術前化学放射線療法の必要性はないと考え、Cisplatin+5-FUによる術前化学療法を実施しています。
室 JCOG1109がある程度の方向性を決めるかと思います。本試験の対象は、cStage IB/II/III(T4 を除く)ですが、腫瘍がBulkyな切除困難例などへの対応も気になります。
加藤
確かにその可能性はあるかもしれません。ただし、Bulky症例を除外しているわけではなく、cStage IIIの症例も63%含まれています。いずれにしても、どこで線引きを行うかについては討議する必要があるかと思います。
JCOG1109の結果が待たれるところですが、ここからは、食道癌に対する術前化学放射線療法の有用性について討議したいと思います。
Reference
- 1)Nakamura K, et al.: Jpn J Clin Oncol. 43(7): 752-755, 2013 [PubMed]
T4b食道癌に対する導入療法
山ア
私からは、T4b食道癌に対する導入療法の試験についてご紹介します。
1990〜2000年代前半までは、T4食道癌に対する一次治療としての外科治療は、気管合併切除や大動脈合併切除などが一般的でした。しかし、在院死亡率や手術関連死亡率が高く、治療成績は惨憺たるものでした。恐らく現在でも一次治療として外科治療を実施すると、在院死亡率は減少するかもしれませんが、3年あるいは5年生存率などの長期生存率は当時と変わらないと思います。現在はT4b食道癌に対する一次治療として、化学放射線療法が実施されています。しかしそれでも、3年生存率は20%程度と十分ではないのが現状です1,2)。
われわれは、T4b食道癌に対する一次治療として、化学療法であるDCFと化学放射線療法とをレトロスペクティブに比較検討した結果、DCFにより全生存期間の延長が得られることを確認しました3)。一方、同時期のCOSMOS試験でも、導入療法としてDCFを行い、切除可能になった場合は、外科切除への変更が検討されていました4)。そして、このCOSMOS試験の結果に基づいて計画されたのがJCOG1510であり5)、現在、切除不能進行食道癌を対象に、導入化学療法としてDCF療法施行後の手術または化学放射線療法、あるいは最初から化学放射線療法を行うべきか否かが検討されています。
こうした背景のなか、私たちもT4b食道癌に対する一次治療として、化学放射線療法(Cisplatin+5-FU+放射線療法)と化学療法(DCF)を比較検討する多施設共同無作為化第II相試験を実施しました6)。本試験がJCOG1510と異なるのは、いずれかの一次治療で切除可能となり、T4が解除されれば手術を実施するだけでなく、切除不能な場合は二次治療としてクロスオーバーさせ、その後切除可能となった場合に手術を実施した点です。ガイドラインでは根治線量照射後の遺残腫瘍に対する手術は推奨されていませんが7)、放射線療法や手術の技術も向上していますので、将来的には手術も可能になると思います。
References
- 1)Ohtsu A, et al.: J Clin Oncol. 17(9): 2915-2921, 1999 [PubMed]
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- 4)Yokota T, et al.: Ann Surg Oncol. 27(2): 460-467, 2020 [PubMed]
- 5)Terada M, et al.: Jpn J Clin Oncol. 49(11): 1055-1060, 2019 [PubMed]
- 6)Sugimura K, et al.: Ann Surg. 274(6): e465-e472, 2021 [PubMed]
- 7)日本食道学会編:食道癌診療ガイドライン2017年版,2017
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周術期管理の進歩と術前化学放射線療法後の予後改善
加藤 山ア先生が実施された無作為化第II相試験1)ですが、化学療法群は、二次治療で化学放射線療法を実施して、手術に到達した人が多いということですね。
山ア はい。
加藤 Bulky症例は局所制御が予後に直結するのではないかということを示す結果かと思います。放射線療法の照射野について教えていただけますか。
山ア 胸部中部・下部食道癌に対しては基本的に鎖骨上リンパ節を含めずI字型照射とし、胸部上部食道癌に対しては腹部リンパ節を含めずT字型照射としました。
加藤 施設で実施された当初のレトロスペクティブな検討結果2)が、無作為化第II相試験1)でひっくり返ったことになりますが、どのように考察されていますか。
山ア そこは私たちも悩んでいるところで明言はできませんが、一番大きな違いは時代背景だと考えています。特に、ここ十数年で周術期管理の方法、手術の様式、放射線療法のプロトコールは劇的に変化しました。レトロスペクティブ試験2)の化学放射線療法の照射線量は60Gyの対向二門照射で、術後のサルベージ療法による死亡が1割弱ありました。現在の放射線照射技術は以前と比べて全く異なるものと考えてよく、それは手術をしていても感じるところです。現在のT4b食道癌の治療戦略を考えると、化学療法と化学放射線療法には差がない、あるいは局所制御という観点からはむしろ化学放射線療法のほうが良いかもしれないと感じています。
室 周術期管理の違いや進歩が治療成績を変えた可能性は高いと思います。JCOG1109試験3)では41.4Gyの照射線量ですから、放射線療法のプロトコールがどのように影響してくるのかが興味深いですね。
本山 私も術前の放射線療法のプロトコールが変化したことで、手術の方法や術後合併症に好影響を及ぼしていると実感しています。放射線技術が明らかに進歩したほかにもう1つ大事なことは、放射線療法終了から手術までの期間が短縮したことだと思います。以前は2ヵ月程度の間隔がありましたが、現在は可能な限り間隔をあけず、私の場合は3週間程度で手術に踏み切るよう心がけています。そうすることによって、線維化が少なくなり、手術が行いやすくなった印象があります。
References
術前化学放射線療法による局所制御の重要性
本山 山ア先生にお尋ねしたいのですが、化学療法を先行した場合と化学放射線療法を先行した場合で再発形式に違いはあったのでしょうか。
山ア まさにその点がポイントです。局所再発は化学放射線療法によって抑えられています。一方で、遠隔再発は化学療法群のほうがやや少ないという結果でした。今回の無作為化第II相試験1)は各群50例程度ですので層別化するのが難しいのですが、同じT4症例でもリンパ節転移数が複数個ある場合は化学療法の適応例となり得る可能性はあると思います。
本山 いずれにしても、T4b症例に対する二次治療後手術割合が両群ともに84%に到達するのですね。しかし、どこの施設でも可能というわけではないと思います。
加藤 そうですね。山ア先生、合併切除をされている割合はどのぐらいあるのでしょうか。
山ア T4解除を大原則としましたので、基本的に本試験では合併切除は実施していません。
加藤 手術施行例で解析しても、全体集団の結果と変わらないのでしょうか。
山ア はい、変わりませんでした。
本山 全体集団の解析結果では、1年目までは全生存期間のKaplan-Meier曲線が両群ともに同じなのですね。
山ア はい。ただ無病生存期間でみると、もう少し手前から差が出てきます。
加藤 化学療法群は局所再発しても、後治療として行われる、化学放射線療法によって根治が得られるケースもあるのかと思いましたが、そうした症例はそれほど多くはなく、やはり遠隔転移が出現して根治は得られないということでしょうか。
山ア そうですね。私たちも化学放射線療法の温存に期待していましたが、術後の化学放射線療法の効果は思ったほど高くはなかったかもしれないという印象があります。
加藤 本試験の結果から言えるのは、T4b食道癌の場合は局所制御が重要で、かつ手術までもっていくことで予後が延長する可能性があるということですね。
山ア 術前化学放射線療法の術後合併症の発現率あるいは程度をみると、従来の術前化学療法と変わりません。
加藤 やはりこうした予後改善は、手術手技の進歩に加えて、放射線療法の最適化が進んだ結果かと思います。
Reference
- 1)Sugimura K, et al.: Ann Surg. 274(6): e465-e472, 2021 [PubMed]
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秋田大学における術前化学放射線療法の治療成績
加藤 それでは続いて、本山先生から秋田大学における術前化学放射線療法の対象と治療成績1)について解説いただきます。
本山
私たちが術前化学療法ではなく、術前化学放射線療法(5-FU+Cisplatin+放射線療法)を実施している狙いは、腫瘍縮小効果にあり、それゆえにT3以上の症例を対象としています。また、転移リンパ節制御効果も狙いの一つであり、当施設では、PET検査にてcN++症例またはcN Bulky症例と診断した患者を対象にしていますが、術前化学放射線療法によってypN0となる症例が半数近くに上ります。実際に、術前化学放射線療法施行後の定型的なリンパ節郭清と術前化学療法後の定型的なリンパ節郭清では、郭清されるリンパ節の個数に違いがあります。N因子をコントロールすることが食道癌の生存予後改善には重要だと思います。
当施設では、放射線療法の照射野は、全縦隔に加えて、リンパ節転移を含んだ照射野としています。cStage別の5年生存率は、cStage III〜IVでは残念ながら60%に到達していません1)。これにもう少し上乗せ治療を行うことができれば、満足のいく治療ができる患者も増えるのではないかと考えています。術前化学放射線療法の組織学的効果については、pN0症例が約半数に上っています。組織学的gradeは2〜3が約65%ですので、術前化学放射線療法の局所制御力が現れていると考えます。
Reference
- 1)Sato Y, et al.: Cancers (Basel). 13(5): 983, 2021 [PubMed]
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術前化学放射線療法によるN因子の制御
加藤 本山先生のご施設の治療成績では、術前化学放射線療法のpCRがCROSS試験と比較して低率ですが、CROSS試験と比較してBulky症例が多いなどの影響があるのでしょうか。
本山 そう考えます。ほとんどがcStage IIIの症例ですので、よりその割合が高かったと思います。
室 JCOG99071)後にブラッシュアップされた術前化学放射線療法のpCR率は約40%、DCFのpCRは約20%かと思います。術前化学放射線療法のほうが局所制御に優れていると思われるにもかかわらず、なぜ日本ではDCFが優勢なのでしょうか。
加藤 pCRは有効性評価に重要な因子ではありますが、海外での検討では、必ずしも局所制御が生存予後には直結しないことが報告されています2)。ただ、Bulky症例であれば局所制御が最も重要なのかもしれません。
室 術前化学療法の良い適応と考えられるのは、T2〜3N0と考えてよいでしょうか。
本山 はい。当施設ではそのようにしており、T3N0症例の予後は術前化学療法(5-FU+Cisplatin)で維持できています。問題なのは、やはりT3N+症例、いわゆる予後の悪い症例に対する治療戦略です。こうした症例に術前化学放射線療法を実施しても遠隔転移例を増やすだけではないかと指摘されたこともあります。確かに遠隔転移は大きな課題なのですが、先ほども申し上げたように、N+症例の半数をypN0にすることができています。食道癌ではpCR例の予後は良好で、N因子の影響は大きいと考えますので、まず、術前治療と手術でN因子によるリスクを低減させることが重要だと考えます。
加藤 術前はとにかく局所制御に徹しようということですね。
本山 Nを局所と捉えるのか全身性と捉えるのかは非常に難しいのですが、私自身はその中間に位置していると考えます。術前化学放射線療法でN因子が関与する再発リスクは抑えられるのではないかと期待しています。
References
術前の放射線療法をどう考えるのか?
加藤 以前は術前の放射線療法は手術が困難になったり、術後合併症が増加したりということが報告され1,2)、積極的には行われていませんでしたが、現在の状況は以前とは変わってきたと言ってよいと思います。先生方は放射線療法を入れるか入れないかは有効性で決めればよいとお考えでしょうか。
山ア まず、手術のやりやすさだけを考えると化学療法が優勢ですが大差はないと思います。それから、短期の周術期合併症に関しては放射線療法の大きな影響はないと考えます。JCOG1109の合併症発現率のデータ3)をみても、化学放射線療法に対して心配しすぎる必要はないと思います。長期的な合併症に関しては、やはり化学療法単独のほうが肺炎リスクはやや少ないように感じています。また、化学放射線療法を行うと、体重が戻りにくい傾向にあると思います。こうした観点から考えると、現状のプロトコールでは、長期的な全身状態は化学療法のほうがよいかもしれませんので、治療強度が十分なのであれば化学療法のみを選択したいと思います。
本山
私も山ア先生も術前の放射線療法には積極的ですが、やはり否定的な意見があるのは事実です。その理由は、「術後に放射線療法を行えない」というものです。しかし、術後放射線療法をしなければならない理由は術野内再発にあるのですから、術前化学放射線療法によって術野内再発を抑えればよいというのが私の考えです。実際に、術前化学放射線療法を実施することで、局所再発は抑制されますので4)、再発後の放射線療法の必要性まで考えて躊躇しなくてもよいと思います。
一方で、術前化学放射線療法にも懸念点があります5)。私たちは2008〜2009年から開始しましたが、最近、それらの症例で晩期障害として拘束性肺障害が発現していることがわかりました。こうしたケースは、主に術後肺炎を併発した患者です。
加藤 私もその点が気になっています。さまざまな技術の進歩によって、周術期の化学放射線療法にあまり問題はないと思いますが、晩期での影響を評価するには今後のデータの蓄積が必要かと思います。
References
- 1)Bosset JF, et al.: N Engl J Med. 337(3): 161-167, 1997 [PubMed]
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- 5)Takahata R, et al.: Dis Esophagus. 29(1): 70-78, 2016 [PubMed]
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がん免疫療法薬への期待
加藤
術前化学放射線療法が有用であることは山ア先生、本山先生から示していただきました。特に、BulkyなT3.5またはT4症例、そしてN+例といった予後不良症例は、術前化学放射線療法の適格例の可能性があるとのことでした。
まだ第II相試験の段階かとは思いますが、そういった予後不良症例に、がん免疫療法薬を使用する場合にも化学放射線療法が検討されるのでしょうか。
室 肺癌の場合は、PACIFIC試験1)で化学放射線療法後のがん免疫療法薬が検討されました。さらに現在は化学放射線療法にがん免疫療法薬の追加が検討されています(PACIFIC-2試験)。食道癌に関しても、発症機序などの観点から考えると、やはり化学放射線療法後のがん免疫療法薬という治療戦略が有効なのではないかと考えています。
加藤 胃癌では腺癌において、周術期にFLOT療法*1に対してがん免疫療法薬を併用する試験も実施されていますので、その結果も気になるところです。
室 JCOG1109でDCFと化学放射線療法が同程度の治療成績の場合、サブグループ解析で特定の集団に対して最適な治療法が示されればよいですが、「やはり術前化学療法でよい」という意見と「術前化学放射線療法がよい」という意見に分かれてしまう心配もしています。
山ア 試験の結果次第ですね。そうは言っても、化学放射線療法に対するアレルギーは以前に比べて減ってきたと感じますし、それはJCOG1109試験にあれだけ多くの症例が登録されたという事実からも裏付けられていると思います。ただし、cStage II、IIIの症例全例に化学放射線療法を施行することに対しては、誰しも躊躇するのではないでしょうか。術前化学放射線療法の適応となる症例をいかに選択していくのか、そのコンセンサスがJCOG1109試験で出てくることを期待しています。
加藤 そうですね。JCOG1109試験の結果が出たとしても、どちらの治療であれ、画一的な治療を全例に適応するのは抵抗がある先生もおられるかもしれません。実臨床でそれぞれの患者さんを診ている先生方に対しては、使い分けの指針が必要かと思います。さらに、がん免疫療法薬が入ってくるとなると、また悩ましいところではありますが。
本山 これまで手術を行えなかった患者さんに手術の機会が出てくると思います。こうした薬剤が揃うことで、手術がどんどん行われるようになり、全体的に食道癌の治療成績が向上することを期待しています。それから、放射線療法とがん免疫療法薬を組み合わせることの有用性は、基礎研究レベルでは示唆されていますが、臨床研究ではまだ示されていません。これから、まだまだ検討されるべき領域だと考えます。
室 消化器癌領域においては、薬物療法が進歩すればその分だけ、手術の出番は増えてくると思います。まさに大腸癌がそうですし、食道癌も薬物療法が進歩すると、手術の適応範囲が広がり、集学的治療の必要性がさらに増すと思います。
山ア まさにその通りだと思います。今まで、食道癌治療の中心は手術に置かれてきました。しかし、化学療法だけ、がん免疫療法薬だけで治療できるならばそれでいいわけです。手術もモダリティの一つであると位置付けて、どの段階でも手術ができる態勢を整えておくことが重要だと感じます。今後、治療選択肢が増えていくなかで常に手術を検討できる時代が来ると思います。
加藤
これまでは十分な治療選択肢もなく、やや限られたなかで治療を行ってきました。ここにがん免疫療法薬が標準治療として加わる可能性が高くなり、治療選択肢が広がってきたことは大変喜ばしいことです。また、放射線療法と化学療法を含めた集学的治療戦略がさらに充実していくものと考えます。さらに、JCOG1109の結果を受けて新しい疑問が出てくれば、それを新たな臨床試験で検証していくのが私たちの役目でもあります。今後も引き続き、食道癌の治療成績向上に向けた取り組みを積極的に行っていきたいと考えています。
本日は食道癌治療のエキスパートの先生方にお集まりいただき、さまざまな角度から意見交換をしていただきました。このサイトをご覧の先生方の明日からの臨床の一助となれば幸いです。先生方、本日はご参加いただきありがとうございました。
Reference
- 1)Antonia SJ, et al.: N Engl J Med. 379(24): 2342-2350, 2018 [PubMed]
- *1:Fluorouracil+Leucovorin+Oxaliplatin+Docetaxel(FLOT)療法は本邦未承認
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5. 座長コラム(加藤健)
本カンファレンス終了後、多施設国際共同無作為化二重盲検第III相試験であるCheckMate-577の試験結果に基づきNivolumabが食道癌における術後化学療法として承認されました。そこで、CheckMate-577およびNivolumabについて、最後に追記したいと思います。
CheckMate-577試験では、術前化学放射線療法後にR0切除を受けたstage II/IIIの食道および食道胃接合部癌患者を対象に、術後治療としてのNivolumab療法の有効性・安全性が検討されました1)。対象には、扁平上皮癌が3割、腺癌が7割含まれます。主要評価項目である無病生存期間の中央値はNivolumab群22.4ヵ月、プラセボ群11.0ヵ月で、Nivolumab群の優越性が検証されました[HR=0.69(96.4% CI: 0.56-0.86)、p=0.0003、ログランク検定、有意水準0.036]。
Nivolumab群でgrade 3-4の免疫関連有害事象(irAE)の頻度はいずれも1%以下でした。重篤な治療関連有害事象はNivolumab群8%、プラセボ群3%に発現しました。
術後治療としてのNivolumab投与は、術前化学放射線療法が実施された*1CheckMate-577試験の結果に基づき承認されました。Nivolumab投与は放射線療法後、一定期間を経て実施されますので、それがどの程度の影響を及ぼすのかは明らかではありませんが、少なくともCheckMate-577試験においては術前化学療法を実施した患者に対するエビデンスはありません。
- *1:Nivolumab群で1例、プラセボ群で1例、術前補助療法を実施していない国内未承認症例が含まれる
- 1)Kelly RJ, et al.: N Engl J Med. 384(13): 1191-1203, 2021 [PubMed]*2
- *2:ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社・小野薬品工業株式会社との利益相反:本研究はブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社および小野薬品工業株式会社の資金提供を受けた。
Reference
- ※国際共同第III相試験(CheckMate 577/ONO-4538-43/BMS CA209577試験)について1)
- ●目的
術前化学放射線療法により病理学的完全奏効(pCR)が認められなかった※1食道癌又は食道胃接合部癌(腫瘍の中心が食道胃接合部より上下5cm以内に位置する腺癌又は扁平上皮癌)の術後患者※2を対象に、Nivolumab群のプラセボ群に対する優越性を検証し、安全性を検討する。
※1:術後の病理組織学的検査でAmerican Joint Committee on Cancer(AJCC)病期分類(第7版)に基づくypT1以上又はypN1以上
※2:術前補助療法を実施しなかった症例が2例含まれる(Nivolumab群1例、プラセボ群1例) - ●試験デザイン
国際共同プラセボ対照二重盲検無作為化比較第III相試験(優越性試験) - ●対象
術前化学放射線療法により病理学的完全奏効(pCR)が認められなかった※1食道癌又は食道胃接合部癌(腫瘍の中心が食道胃接合部より上下5cm以内に位置する腺癌又は扁平上皮癌)の術後患者794例※2
[Nivolumab群:532例(日本人:50例)、プラセボ群:262例(日本人:13例)]
※1:術後の病理組織学的検査でAmerican Joint Committee on Cancer(AJCC)病期分類(第7版)に基づくypT1以上又はypN1以上
※2:術前補助療法を実施しなかった症例が2例含まれる(Nivolumab群1例、プラセボ群1例) - ●投与方法
Nivolumab群:Nivolumab 240mgを2週間間隔で16週間投与し(サイクル1〜8)、その後17週目(8回目の投与後2週間)からはNivolumab 480mgを4週間間隔で投与した(サイクル9〜17)。合計投与期間は最長1年間とした。
プラセボ群:Nivolumab群と同じ用法でプラセボを投与した。 - ●評価項目
主要評価項目:無病生存期間(DFS)
副次的評価項目:全生存期間(OS)および全生存率*2
探索的評価項目:PD-L1発現状況別の無病生存期間(DFS)、無遠隔転移生存期間(DMFS)、二次治療までの無増悪生存期間(PFS2)*3、健康関連QOLの評価
*2:本承認時(中間報告)には含まれない
*3:無作為化から1回目の後治療後の病勢進行、2回目の後治療開始または死亡までの期間
安全性:有害事象、臨床検査値等 - ●解析計画
主要評価項目:無病生存期間(DFS)について、有意水準0.036(両側)で優越性検定を行った。Web自動応答システム(IWRS)に記録された3つの割付因子(PD-L1発現状況、病理学的リンパ節転移、組織学的分類)によって層別化した両側log-rank検定により、投与群間のDFSを比較した。投与群を共変量とした層別Cox比例ハザードモデルにより、DFSのハザード比と96.4%信頼区間を推定した。Kaplan-Meier法により各投与群のDFSを推定し、中央値を算出し、生存関数の二重対数変換により中央値の95%信頼区間を算出した。各投与群の6ヵ月時点の無病生存率をKaplan-Meier法を用いて推定し、対応する信頼区間は分散算出のためのGreenwoodの式および生存関数の二重対数変換を用いて算出した。
探索的評価項目:無遠隔転移生存期間(DMFS)、二次治療までの無増悪生存期間(PFS2)について、ハザード比およびそれぞれに対応する両側95%信頼区間を、投与群を共変量とした層別Cox比例ハザードモデルを用いて推定した。上記3つの割付因子により層別化し、解析を行った。各投与群のDMFSおよびPFS2をKaplan-Meier法を用いて推定し、生存期間の中央値と6ヵ月時点の無遠隔転移生存率および無増悪生存率はKaplan-Meier推定値を用いて算出し、生存関数の二重対数変換により中央値の95%信頼区間を算出した。DFSについて、投与群を共変量とした非層別Cox比例ハザードモデルを用いて、PD-L1発現状況別にNivolumab群のプラセボ群に対するハザード比と95%信頼区間を推定し、投与群ごとにKaplan-Meier曲線を示してDFS中央値と95%信頼区間を推定した。健康関連QOLについて、FACT-E、EQ-5D VAS、EQ-5D Utility Index Scoreを用いて評価し、ベースラインからの変化とそれぞれの最小二乗平均値および95%信頼区間について、mixed-effects models for repeated measures(MMRM)解析を行った。
サブグループ解析:年齢、性別、人種、ECOG PS、病期、病変部位、組織学的分類、病理学的リンパ節転移、腫瘍の病理学的分類、組織学的Grade分類、完全切除から無作為化までの期間、HER2遺伝子、PD-L1発現状況を因子として、DFSの部分集団解析を実施した。また、投与群を共変量とした非層別Cox比例ハザードモデルを用いて、Nivolumab群のプラセボ群に対するハザード比および95%信頼区間を算出し、forest plotを作成した。 - ●主要評価項目の結果
無病生存期間(DFS):DFS中央値はNivolumab群22.41ヵ月(95%信頼区間:16.62-34.00)、プラセボ群11.04ヵ月(95%信頼区間:8.34-14.32)であり[ハザード比:0.69(96.4%信頼区間:0.56-0.86)、p=0.0003、層別log-rank検定、有意水準0.036]、DFSについて、Nivolumab群のプラセボ群に対する優越性が検証された。 - ●副作用
副作用は、Nivolumab群で70.7%(376例)、プラセボ群で45.8%(119例)に認められた。Nivolumab群で発現率が10%以上の副作用は、疲労16.9%(90例)、下痢16.5%(88例)、そう痒症10.0%(53例)であった。プラセボ群で発現率が10%以上の副作用は、下痢15.0%(39例)、疲労11.2%(29例)であった。
Grade 3-4の副作用は、Nivolumab群で13.3%(71例)、プラセボ群で5.8%(15例)に認められた。
重篤な副作用は、Nivolumab群で7.5%(40例)、プラセボ群で2.7%(7例)に認められた。Nivolumab群で2例以上に認められた重篤な副作用は、肺臓炎1.1%(6例)、心筋炎0.6%(3例)、肺炎0.4%(2例)、下痢0.4%(2例)、敗血症0.4%(2例)、大腸炎0.4%(2例)、間質性肺疾患0.4%(2例)であった。プラセボ群で2例以上に認められた重篤な副作用は、肺臓炎0.8%(2例)であった。
投与中止に至った副作用は、Nivolumab群で9.0%(48例)、プラセボ群で3.1%(8例)に認められた。Nivolumab群で2例以上に認められた投与中止に至った副作用は、肺臓炎1.9%(10例)、心筋炎0.6%(3例)、発疹0.6%(3例)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加0.4%(2例)、自己免疫性肝炎0.4%(2例)、肺炎0.4%(2例)、そう痒症0.4%(2例)、乾癬0.4%(2例)、敗血症0.4%(2例)であった。プラセボ群で2例以上に認められた投与中止に至った副作用は、肺臓炎0.8%(2例)であった。
投与期間中または追跡期間中(治験薬最終投与後30日以内)に死亡に至った有害事象は、Nivolumab群で13例(悪性新生物進行7例、心停止1例、自殺既遂1例、悪性新生物進行/頭蓋内出血1例、心筋梗塞1例、誤嚥性肺炎1例、中枢神経系転移1例)、プラセボ群で11例(悪性新生物進行6例、気胸1例、再発癌1例、亜急性心内膜炎1例、全身健康状態悪化1例、胆管閉塞1例)に認められた。これらの死亡について、いずれも治療薬との因果関係は否定された。 - 1)小野薬品工業:国際共同第III相(ONO-4538-43/CA209577)試験成績(社内資料) 承認時評価資料
Reference
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2022年2月作成
1506JP22PR0795709
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