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ASCO2008 | American Society of Clinical Oncology 44th Annual Meeting 2008 May 30th - Jun 3rd at Chicago,Illinois

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Big Oncologistに聞く 私の座右の銘

Jaffer A. Ajani M.D.
Jaffer A. Ajani M.D.

 Ajani先生は、胃癌・食道癌領域でいくつもの大規模臨床試験を手がけてこられ、現在も進行胃癌に対するTS-1+CDDP併用療法の有用性を検証する大規模第III相試験・FLAGS試験で世界中の注目を集めています。親日家としても知られ、2005年には日本胃癌学会総会で特別講演を行い、現在は日本食道学会機関誌のInternational Advisory Boardのメンバーを務めておられます。


Q 日本のドクターに伝えたい、座右の銘を教えてください。

 私が日本の先生方に伝えたいのは、「学術研究の発展に専念し、学術的なキャリアを広げられそうなことすべてに挑戦しよう」ということ。
 我々医師は誰でも、患者さんの利益のために貢献できると思います。それには2つのモデルがあります。
 第一のモデルは、大規模な病院で、大勢の患者さんを治療すること。
 そして第二のモデルは、学術的な発展に貢献すること。治療上の問題を1つでも解決することができれば、全世界の患者さんの予後を改善する可能性があります。これは、非常に大きなインパクトですね。もし第二のモデルを選択するのであれば、臨床に多くの時間を割くのではなく、学術研究に専念すべきだと思います。


Q 今年のASCOについてどう思われますか?

 今回はブレイクスルーとなるような発表はないと思います。結腸癌においては、我々は十分な研究を重ね、進歩を遂げてきました。一方、胃癌や食道癌、肝癌においては、より多くの試験、特に第III相試験を行う必要があります。治療の進化とは、第III相試験を通してのみ遂げられるものですしね。


Q 日本のドクターへメッセージをお願いします。

 日本の先生方は非常によい仕事をされていると思います。JCOGをはじめ、臨床研究グループが精力的な活動をされていますね。
 私から日本の先生方へのメッセージは、できるだけ早く臨床研究グループのスタッフを充実させること。私の研究室では、たくさんの看護師とデータマネージャーが働いています。JCOGの全看護師、全データマネージャーよりも多いと思いますよ。よりよい研究を行うためには、多くのスタッフが必要だと思います。そのためにも、より多くの財政的支援が必要ですね。

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