坂本 続いて、panitumumabの話題に移ります。
大津 panitumumabはEGFRに対する完全ヒト型のIgG2モノクローナル抗体で、ADCC作用はないといわれています。効果はcetuximabと同程度、副作用も同じで強い皮疹が現れますが、完全にヒト化しているため、infusion reaction はほとんどありません。現在、二次治療でFOLFIRIに併用する国際共同試験が行われており、我々も日本から参加しています(#4064)。今回は安全性の報告だけで、皮疹が一番多いようです。
大村 順調にいけば、近いうちに日本でも承認されそうですね。
瀧内 ヨーロッパの承認は「K-RAS wild typeのみ」という条件付きですね。
大津 panitumumabでは米国のFDAもそのようになっていますので、日本でもK-RAS mutationは適応から除外されると思われます。
坂本 完全ヒト化抗体である点はよいと思うのですが、意外にcetuximabとの差はないのですね。
大津 アレルギーはなくなりますが、作用点が同じなので副作用も同じように出ます。また、用量設定はpanitumumabのほうが高めなので、毒性が出やすい可能性があります。ただ、半減期はpanitumumabのほうが少し長いので、2週に1回の投与で済むというメリットがあります。
cetuximabは週1回投与です。
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