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大腸癌に関する注目演題
2nd-lineの新たな治療選択――BBP、Aflibercept、Panitumumab
#3535:20050181試験
初回報告と有効性・有害事象は変わらず。2nd-lineで投与が必要な症例の見きわめが必要
室:今年はVEGF阻害薬の話題が多く、抗EGFR抗体薬はあまり目立っていませんでしたが、ポスターで20050181試験の最終報告がありました。山﨑先生、概要をお願いします。
山﨑:20050181試験はKRAS 野生型患者の2nd-line治療として、FOLFIRIへのPanitumumabの上乗せ効果を検討した試験です。今回は、事前に計画されていた最終症例登録から30ヵ月後のPFS、OSの解析結果が報告されました。PFS中央値はFOLFIRI群が4.9ヵ月、 FOLFIRI+Panitumumab群は6.7ヵ月で、Panitumumab 併用により有意に延長しました (HR=0.82, p=0.023)[図5]。OSはそれぞれ12.5ヵ月、14.5ヵ月で有意差は示されませんでした。毒性に関しても既報告17)と同様です。
室:小松先生はどう思われましたか。
小松:長期的に見ても、初回報告と結果は変わりませんでした。30ヵ月という長期観察においても重大な副作用は認められず、Panitumumabを併用したことによる不利益がみられなかったことが重要だと思います。
室:EPIC試験8)と比べても、質の高い試験結果であると再認識させられました。至適な2nd-line化学療法を構築するべく、本試験の結果とBBPを検証したTML試験を対比して考察したいと思います。今後、2nd-lineに関してはどういった方向に進むと思われますか。佐藤武郎先生はいかがでしょう。
佐藤 (武):BBPのエビデンスがなかったときはPanitumumab併用が主流だったと思うのですが、今後は判断が難しくなりました。
室:そうですね。今回のTML試験の結果より、2nd-lineの選択肢の1つとしてBBPは提示されるべきです。一方で、抗EGFR抗体薬が必要な症例も出てくるでしょう。TML試験ではBBP群に奏効率の上乗せがほとんどありませんでした (BBP群:5.4% vs. 化学療法群:3.9%)。他方、本試験でのPanitumumab併用群の奏効率の高さは特筆すべきです (KRAS 野生型でFOLFIRI+Panitumumab群:36% vs. FOLFIRI群:9.8%)。KRAS 野生型において、今後も2nd-lineのPanitumumab併用という選択肢は提示されるべきものだと思います。特に腫瘍縮小が必要な症例においては、有力な選択肢として認識すべきと考えます。