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大腸癌に関する注目演題
切除不能大腸癌既治療例に対する新規薬剤の検討
#3504:NCIC CTG/AGITG CO.20試験
KRAS 野生型既治療例に対するCetuximab+Brivanib療法の第III相試験
室:次も残念ながらネガティブな結果となったBrivanibの第III相試験です。山﨑先生、概要をご紹介ください。
山﨑:BrivanibはVEGFR、FGFRを標的とする経口TKIです。主要結果は2012年 消化器癌シンポジウムで報告されましたが31)、今回はその最終報告です。標準治療に不応となったKRAS 野生型症例に対するCetuximab±Brivanibを比較したところ、主要評価項目のOSはCetuximab群8.2ヵ月、Brivanib併用群8.9ヵ月で有意差は示されませんでした[図11]。
サブグループ解析では、PS 2の症例を除いてBrivanib併用群で良好な傾向がみられました。PFSはそれぞれ3.4ヵ月vs. 4.8ヵ月 (p<0.0001)、奏効率も7% vs. 14% (p=0.002) とBrivanib併用群で有意に良好でした。90%以上のdose intensityを保つことができた患者の割合はBrivanib併用群でCetuximabが43%、Brivanibは47%であり、dose downする傾向にありました。非血液毒性もBrivanib併用群で高率でした。
小松:本試験はTML試験、VELOUR試験と一緒にディスカッションが行われました。ディスカッサントによれば、他の2試験は症例数が1,200程度で検出力が90%であるのに対し、本試験は症例数がその半分程度、検出力は80%であり、統計上の設定からして有意差を導き出すのが難しい試験だということでした。そこから「TML試験とVELOUR試験におけるOSの1.4ヵ月という差が、果たして実臨床でどのような意味があるか考えるべきだ」という意見にもっていったところが面白かったですね。
Lessons from #LBA3501 / #3502 / #3504
- [#LBA3501]2nd-lineまたは3rd-line治療としてのCapecitabine+Perifosine療法は、Capecitabine単剤に対するOS、PFS、奏効率における優越性を示すことができなかった。
- [#3502]サルベージラインでのRegorafenib単独投与はOS、PFSを有意に延長した。
- [#3502]今後は本邦での導入が期待されるが、適切な用量調節をしながら注意深く毒性管理をしていくことが肝要である。
- [#3504]標準治療に不応となったKRAS 野生型症例に対し、CetuximabにBrivanibを併用してもOSは延長しなかった。