現地座談会

1st-lineにおける比較試験

#3505:TRIBE試験
1st-lineのBev併用としてのFOLFOXIRI vs. FOLFIRI
BRAFKRAS のサブ解析とOSの結果の追加報告

室:続けて、TRIBE試験についてご紹介ください。

中島:FOLFIRI + Bevに対するFOLFOXIRI + Bevの優越性を検証した試験です。今年のGastrointestinal Cancers Symposiumでの発表に、BRAFKRAS のサブ解析、そしてpreliminaryですがOSの結果が追加されました。両群ともに12サイクル終了後は、維持療法として5-FU/LV + BevをPDまで行います。毒性はやはりFOLFOXIRI + Bev群で高く、好中球減少、下痢、発熱性好中球減少症に特に注意が必要です。

 主要評価項目のPFS中央値はFOLFIRI + Bev群9.7ヵ月、FOLFOXIRI + Bev群12.1ヵ月で、FOLFOXIRI + Bev群が有意に良好でした (HR=0.77, p=0.006)。PFSに関するサブ解析では、症例数が少ないもののBRAF 変異型でもFOLFOXIRI + Bev群で良好でした (HR=0.55, p=0.323)。観察期間中央値32ヵ月におけるOSに有意差は認められませんでしたが (HR=0.83, p=0.125) (図9)、OS中央値は25.8ヵ月 vs. 31.0ヵ月とFOLFOXIRI + Bev群で良好な傾向にありました。

室:佐藤温先生はどう思われましたか。

佐藤 (温):本試験も導入療法から維持療法に移るintermittentのデザインです。これまでもFOLFOXIRIの有効性は理解していたものの、臨床では施行に至りませんでした。しかし、膵癌のPRODIGE4/ACCORD11試験に続き安定したデータが出たので、導入療法としてintensiveな治療を行ってから維持療法へ続けることにより、OSに良好な結果が期待できるのかもしれません。消化器癌治療の流れが変わってきたと感じました。

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