S-1+CDDP(SP)
*S-1の用量は体表面積(m2)により調整 |
Koizumi W, et al.: Lancet Oncol. 9(3): 215-221, 2008 |
5-FUのプロドラッグ製剤であるS-1を3週間内服の後2週間休薬するというスケジュールで投与し、それに加えて白金製剤であるCisplatin(CDDP)をday 8に投与するという治療法である。SPIRITS試験1)でS-1単剤に対する有効性が証明されており、その結果を受けて日本における切除不能・再発胃癌の1次治療のレジメンとして胃癌治療ガイドラインで推奨されている。
■有効性
主要評価項目である生存期間(OS)の中央値はS-1+CDDP(SP)群で13.0ヵ月、S-1単剤群で11.0ヵ月であり(HR=0.77、95% CI: 0.61-0.98、p=0.04)、S-1単剤に対してSP群が有意に生存期間を延長した。副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)の中央値もSP群で6.0ヵ月、S-1単剤群で4.0ヵ月(HR=0.57、95% CI: 0.44-0.73、p<0.0001)と、SP群で有意に良好であった。奏効割合もSP群54%、S-1単剤群31%とSP群で有意に良好であった(p=0.002)。
SP (n=148) |
S-1 (n=150) |
HR (95% CI) |
P値 | |
OS | 13.0ヵ月 | 11.0ヵ月 | 0.77 (0.61-0.98) |
0.04 |
PFS | 6.0ヵ月 | 4.0ヵ月 | 0.57 (0.44-0.73) |
<0.0001 |
奏効割合 | 54% | 31% | - | 0.002 |
■安全性
Grade 3以上の有害事象(SP/S-1)は、白血球減少(11%/2%)、好中球減少(40%/11%)、貧血(26%/4%)、血小板減少(5%/0%)、全身倦怠感(30%/6%)、嘔気(11%/1%)、低ナトリウム血症(3%/0%)などであり、SP群で高頻度であった。
レジメン解説執筆:国立がん研究センター中央病院 消化管内科 喜多 昭介 先生
Reference
- 1) Koizumi W, et al.: Lancet Oncol. 9(3): 215-221, 2008[PubMed]
- 副作用対策講座「悪心・嘔吐」
GI cancer-net
消化器癌治療の広場