GI cancer-net | 消化器癌治療の広場

ASCO2008 | American Society of Clinical Oncology 44th Annual Meeting 2008 May 30th - Jun 3rd at Chicago,Illinois

ASCO 2008 トップページ
ASCO 2008 に寄せる期待
ASCO 2008 スタッフ略歴
ASCO 2008 速報演題レポート
Big Oncologistに聞く 私の座右の銘
ASCO 2008 レポーター体験記
ASCO 2008 現地座談会

現地座談会

その他の消化器癌治療に関する演題
食道癌の治療

坂本 最後に食道癌について、JCOG 9907試験(#4510)を高石先生にご紹介いただきたいと思います。

高石 JCOG 9204試験により、stage II/IIIの食道癌患者に対して5-FU+CDDP(FP)を用いた術後補助化学療法を行ったほうが、手術単独よりもDFSがよいというデータが出たことを受け、FPによる補助化学療法のより効果的な施行時期を検証するために行われたのがJCOG 9907試験です。その結果、術前に補助化学療法を施行したほうが、術後補助化学療法に比較して、OSにおいて優れていました。今後、stage II/IIIの食道癌患者は、まず内科で術前補助化学療法を施行してから、外科で手術をするようになるのかなと思いながら、この発表を聞いていました。

坂本 330 例というのは、食道癌の臨床試験としては途方もない数ですね。

大津 この試験のもともとの一次エンドポイントはPFSだったのですが、中間解析で術前施行群のOSが有意に上回ったために中止されました。ただ、生存曲線はPFSが開いてからOSが開くというパターンが一般的なので、少し不安があります。

大村 ただ、これは扁平上皮癌ですからね。演者の井垣先生は最初に「日本は90%以上が扁平上皮癌であり、欧米のように腺癌と半々ではない」とことわったのですが。

寺島 この試験は、インフォームドコンセントをとるのが非常に大変だったのではないかと思います。同様の試験をもう一度日本で行うのは、デザイン的に難しいでしょうね。

膵癌の治療 ASCO 2008を振り返って
「現地座談会」トップへ
消化器癌治療の広場へ戻る トップページへ戻る ページの先頭へ戻る

このサイトは医療関係者の方々を対象に作成しています。必ずご利用規約に同意の上、ご利用ください。記事内容で取り上げた薬剤の効能・効果および用法・用量には、日本国内で承認されている内容と異なるものが、多分に含まれていますのでご注意ください。