
以上はすべてVEGF阻害薬のポジティブ試験ですが、ご存知の通り、ネガティブ試験も数多くあります。Bevacizumabを用いた試験では、stage II/III症例における術後補助化学療法で2試験 (NSABP C-08試験12)、AVANT試験13))、1st-lineにおける抗EGFR抗体薬との併用療法で2試験 (CAIRO2試験14)、PACCE試験15)) あります。また、経口VEGF阻害薬と化学療法の併用試験 (PTK78716)、Sunitinib17)、Cediranib18)等) はいずれもネガティブな結果でした。現在、Regorafenibと化学療法の併用を検討する無作為化第II相試験が進行中であり、その結果が注目されます。
切除不能大腸癌治療におけるVEGF阻害薬の上乗せ効果は、当初期待されていたよりも小さく、化学療法剤との正の相互作用が存在するか否かも不明です。2nd-line以降の抗VEGF療法に関しては、TML試験の結果によってさらに複雑な様相を呈してきました。BBPを行うべきか、Afliberceptはどうか、またRegorafenibはいつどのような対象に投与すべきか――こうした問題が浮上してきます。
今朝のoral sessionでは、ディスカッサントのAlan P. Venook先生から物議を醸しそうな発言がありましたね。1st-lineでVEGF阻害薬の投与は必須なのか、それとも2nd-lineで、あるいはBBPとして使用するほうがベネフィットを得られるのか、十分に議論する必要があると思います。
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