2012年 米国臨床腫瘍学会年次集会では、長らく待望されていたBevacizumabの継続投与 (Bevacizumab Beyond First Progression: BBP) を検討した無作為化比較試験であるTML試験の結果が報告され、BBPが生存に寄与することが示された。Bevacizumab併用化学療法はすでに切除不能大腸癌の1st-line治療として定着しており、今後は1st-lineでBevacizumabを投与された患者においては2nd-lineでの継続投与が増えることが予想される。しかしながら、併用するレジメンによってBevacizumabの上乗せ効果に差があることは周知の事実であり、またconversion therapyなど、症例によっては高い奏効率が見込める抗EGFR抗体薬を先に使用すべきとする考え方もある。

　本座談会はTML試験をはじめとする注目演題が多数報告されたoral sessionが開催された6月3日に収録を行った。今回は2012年のJournal of Oncology誌 (JCO) に米国の実臨床におけるBevacizumabの上乗せ効果の研究報告を行ったDana-Farber Cancer InstituteのJeffrey Meyerhardt先生をゲストに迎え、最新の切除不能大腸癌における分子標的薬の位置づけについてディスカッションしていただいた。

記事内容で取り上げた薬剤の効能・効果および用法・用量には、日本国内で承認されている内容と異なるものが含まれておりますのでご注意ください。

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