1st-lineの維持療法とchemo holidayの意義
#3503:SAKK41/06試験
Bev併用1st-line後の維持療法としてのBev継続とchemo holidayの比較
室:続いてSAKK41/06試験について、岩本先生から紹介していただきます。
岩本:1st-lineでBev併用化学療法を4~6ヵ月間行い、PDにならなかった症例をBev継続群と無治療群に無作為に割り付け、PDとなるまで継続しました。結果、主要評価項目であるTTP (time to progression) の中央値は無治療群2.9ヵ月、Bev継続群4.1ヵ月とBev継続群で有意に良好であり (HR=0.74, 非劣性p=0.47)、無治療群のBev継続群に対する非劣性は否定されました (図3)。また、1st-line開始からのPFSもBev継続群で有意に良好でした (HR=0.75, p=0.021)。
一方、1st-line開始からのOSはBev継続群が良好な傾向にあったものの有意差はありませんでした (HR=0.83, p=0.218) (図4)。有害事象は高血圧、蛋白尿などがBev継続群で多く認められ、医療費もBev継続群で高額になっています。
室:監修を担当された大村先生はどう思われましたか。
大村:今回の米国臨床腫瘍学会では、chemo holidayによってQOLを高める試みが本格的に行われています。CAIRO3試験との違いは、再導入までは指定していないこと、休薬中に6週間ごとのCT検査を規定していることです。本試験では、主要評価項目であるTTPについて無治療群の非劣性が否定されましたが、OSにおいてBev継続群の有意差は示されていないので、医療費とchemo holiday中のQOLも合わせて判断しなければならないと思います。