現地座談会

抗EGFR抗体薬の新たなバイオマーカー

#3617:20020408試験 (KRAS / NRAS )
3rd-lineにおけるPanitumumabの効果予測因子としてのKRAS /NRAS 解析

室:次はバイオマーカーに関して、谷口先生から3演題続けて紹介していただきます。

谷口:20020408試験は3rd-lineにおけるPanitumumab単独とBSCを比較した第III相試験です。これまで、KRAS およびNRAS のexon 2, 3変異に関するデータが発表されていますが、今回はさらにexon 4に測定範囲を広げて追加解析が行われました。KRAS exon 2野生型のなかでもKRAS exon 3, 4またはNRAS exon 2, 3, 4変異を有する患者を「RAS 変異型」と規定し、KRAS exon 2, 3, 4およびNRAS exon 2, 3, 4に変異のない「RAS 野生型」と比較しています。

 KRAS exon 2野生型に占める各変異の割合は、KRAS exon 3変異が4.8%、exon 4変異が5.0%、NRAS exon 2変異が4.2%、exon 3変異が3.0%、exon 4変異が1.1%でした。結果、RAS 野生型におけるPFS中央値はPanitumumab群14.1ヵ月、BSC群7.0ヵ月とPanitumumab群で有意に延長しましたが (HR=0.36, p<0.001) (図10)RAS 変異型ではPanitumumab群におけるPFSの有意な延長は認めませんでした (HR=0.97, p=0.729) (図11)。なお、Panitumumab群の奏効率は、RAS 野生型が16.4%、RAS 変異型では1.0%でした。

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