現地座談会

抗EGFR抗体薬の新たなバイオマーカー

#3511:PRIME試験 (KRAS / NRAS / BRAF )
1st-lineにおけるFOLFOXへのPanitumumabの上乗せ効果を検討したPRIME試験のKRAS /NRASBRAF 解析

谷口:PRIME試験は1st-lineにおけるFOLFOX4単独とFOLFOX4 + Panitumumabを比較した第III相試験です。これまで報告されてきたKRAS exon 2 (codon 12, 13) 野生型患者を対象に、KRAS exon 3,4、NRAS exon 2,3,4、BRAF exon 15変異を解析し、PFSとOSに及ぼす影響を検討した報告です。各変異の頻度は20020408試験とほぼ同様でした。

 OSについては、RAS 野生型では中央値がFOLFOX4群20.2ヵ月、FOLFOX4 + Panitumumab群26.0ヵ月とPanitumumab併用により有意な延長を認めました (HR=0.78, p=0.043) (図12)。一方、KRAS exon 2以外のRAS 変異型ではFOLFOX4 + Panitumumab群が不良な傾向がみられました (HR=1.29, p=0.305)。PFSについても、OSとほぼ同様の傾向がみられています。なお、RAS 野生型でBRAF 変異型の症例では、FOLFOX4群に対するFOLFOX4 + Panitumumab群のOSのHR=0.90、PFSのHR=0.58とPanitumumab併用により良好な傾向が認められたため、BRAF 変異はPanitumumabの効果予測因子ではないことが示されました (図13)

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