消化器癌治療の広場

ASCO 2011特別企画座談会 Uniformed or Personalized? 
大腸癌の病態に応じたアプローチを考える

Theme 2 2nd-lineにおける病態に応じた分子標的治療のアプローチ

2-1 2nd-lineにおける抗EGFR抗体薬の役割 ―Aggressive approachの概念は適応となるか?

抗EGFR抗体薬を使うチャンスを逃さないことが重要

瀧内: さて、KRAS 遺伝子野生型の患者に対して1st-lineとしてFOLFOX + Bevacizumabを投与した場合、2nd-lineには何を使用されますか。

Kopetz: この場合の最大の問題は、その患者が3rd-lineまで投与可能と予測できる患者か、2nd-lineが最後の治療となる可能性がある患者かということです。ほとんどの場合、我々は2nd-lineでは最もactiveなレジメンを用いるため、CPT-11またはFOLFIRI + 抗EGFR抗体薬を使用することになります。PSが良好であればFOLFIRI + 抗EGFR抗体薬を投与し、それで問題が起これば最初にFOLFIRIを中止します。

掛地先生

掛地: 患者さんに忍容性があれば、私もFOLFIRI + 抗EGFR抗体薬を選択します。

瀧内: 20050181試験では2nd-lineでのFOLFIRI + Panitumumab 投与により35.0%という高い奏効率を得ています26)

Kopetz: 20050181試験のデータは衝撃的でしたね。2011年米国臨床腫瘍学会年次集会でも20050181試験の奏効率は大腸癌領域のトピックとして話題となりました。

瀧内: Kopetz先生は2nd-lineでのPanitumumabの投与を支持されるということですね。では、CPT-11を2nd-lineで投与する際、ルーチンとして抗EGFR抗体薬を併用すべきだと思われますか。

Kopetz: KRAS 遺伝子野生型の患者では、治療期間のどこかの時点で抗EGFR抗体薬を投与することがきわめて重要です。最悪のシナリオは、何らかの理由で抗EGFR抗体薬を投与するチャンスを逸してしまうことです。ですから、通常は抗EGFR抗体薬を2nd-lineで使用すべきだと思います。

掛地: 日本では一部の症例にCetuximabやPanitumumabの単剤投与が行われることがありますが、米国ではどうですか。

Kopetz: 腫瘍が小さくmildな治療を試みたい症例やPSが不良な症例など、一部のケースでは行うことがありますね。

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