基本は手術をし、術後はUFT 360mg/m2を実施
もし術前化学療法を行うのであればFOLFOXを施行
病変は切除可能とのことなので自律神経温存の側方郭清を含む切除術を第一に考えます。もし術前化学療法を行うのであればFOLFOXを行います。術前放射線療法の是非については、現状の日本においては何ともいえません。術後は標準的治療であるUFT 360mg/m2(5投2休、1年半)を実施します。
術前は放射線療法のみ、術後はLV/5-FUなどを考慮
術前化学療法のエビデンスはないので行いません。放射線は術後よりも術前のほうが成績がよいので術前に行います。できるだけの治療をとの要望があるので、インフォームドコンセントを十分に行ったうえで自律神経温存の側方郭清を行います。術後の補助化学療法は、LV/5-FUベースのRoswell Park regimen、あるいはNSABP C-06で証明されたLV/UFTを考慮します。
術前にLV/5-FU+放射線療法、術後はmFOLFOX 6を外来で
術前にLV/5-FU+放射線療法を行います。側方郭清は施行する、しないのどちらでも容認されると思います。術後はmFOLFOX 6を外来で施行します。放射線療法は術前のほうがよい成績が得られているので術後放射線療法は行いません。術後のフォローアップ間隔は最初の3年間は3ヵ月ごとの腫瘍マーカー測定と6ヵ月ごとのCT検査を行い、その後は年2回の腫瘍マーカー測定と年1回のCT検査を行います。
完治を目指す場合は術前化学放射線療法を実施する
通常、手術可能であれば、まず手術を行い、治癒切除を目指します。局所的に腫瘍が残存するならば追加で放射線療法も検討します。治癒切除であれば術後に l -LV/5-FUあるいはUFT、LV/UFTレジメを検討します。非治癒切除であれば、切除不能の場合と同様のレジメを検討します。しかし、何が何でもまず完全治癒の確率を上げようというのであれば、術後と効果は同等でも病理学的CRが多く、重篤な副作用が少ない術前の放射線化学療法を選びます。放射線治療時に併用する化学療法は持続静注5-FUを選択します。
術前にLV/5-FU+放射線療法、術後はFOLFOX+分子標的治療製剤
術前にLV/5-FUを用いた化学療法と放射線療法を施行し、側方郭清をしない普通の手術を行い、術後にFOLFOXにbevacizumabやcetuximabを併用する化学療法を短期間施行します。