RPMI+Bevacizumab
Kabbinavar F, et al.: J Clin Oncol. 21(1): 60-65, 2003 |
Bevacizumab(BV)は、抗血管内皮細胞増殖因子(VEGF)ヒト化モノクローナル抗体である。VEGFの働きを阻害することにより、血管新生を抑え腫瘍の増殖や転移を抑える作用を持つ。
RPMI regimenに対するBVの併用療法は、切除不能進行・再発大腸癌を対象としてBV 5mg群、BV 10mg隔週投与群を設定した第II相試験(AVF0780g試験)において、BV 5mg併用群が10mg併用群より良好な成績を示した(PFS中央値9.0ヵ月 vs. 7.2ヵ月)1)。 また、CPT-11治療に不適格と考えられる切除不能進行・再発大腸癌に対する1st-lineとしてのRPMI regimenとRPMI + BV(5mg/kg)を比較した第II相試験(AVF2192g試験)では、BV併用により良好な成績が示された(PFS中央値5.5ヵ月 vs. 9.2ヵ月)2)。
国内における臨床試験としては、切除不能進行・再発大腸癌患者を対象とした第I相試験(JO18157試験)が行われた。本試験では、初回にBV 3mg/kg、5mg/kg、10mg/kgをそれぞれ単剤投与し、3週間後からRPMI regimenに各投与量のBVを隔週で併用された。その結果、日本人に対するBVの初期安全性が確認されるとともに、薬物動態が明らかになった。
米国では2004年2月に承認され、日本においても2007年4月に「切除不能進行・再発大腸癌」に対する治療薬として承認された。
未治療の切除不能進行・再発大腸癌を対象に、RPMI regimenまたはbolus 5-FU/LV + CPT-11(IFL regimen)をコントロール群としてRPMI + BVの有効性を検討した3つの無作為化比較試験(AVF0780g試験・AVF2192g試験・AVF2107g試験)をメタ解析した結果が報告された3)。
■有効性
奏効率はRPMI or IFL群24.5%、RPMI+BV(5mg)群34.1%(p=0.019)、PFS中央値はそれぞれ5.6ヵ月、8.8ヵ月(p≦0.0001)、OS中央値はそれぞれ14.6ヵ月、17.9ヵ月(p=0.008)と、コントロール群にIFLを含めてもRPMI + BVが有意に優った。
■安全性
主な有害事象を下表に示す。最も多くみられたgrade 3/4の有害事象は、下痢(34% vs. 37%)、白血球減少(19% vs. 5%)で、grade全体では蛋白尿(19% vs. 32%)、血栓事象(17% vs. 17%)、高血圧(3% vs. 16%)が多くみられた3)。
Reference
GI cancer-net
消化器癌治療の広場