レジメン講座 | 抗癌剤併用レジメンの投与法を解説します。

IFL+BV

Hurwitz H, et al.: N Engl J Med. 350(23): 2335-2342, 2004

Bevacizumab (BV) は抗血管内皮成長因子 (VEGF) ヒト化モノクローナル抗体で、米国では2004年2月に進行大腸癌に対する1st-line治療として認可されている。日本においても2007年4月に「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」に対する治療薬として承認された。

すでにBVの上乗せ効果が認められていた RPMI+BVと、切除不能大腸癌に対する有用性が証明されていたIFLにBVを併用した群、およびIFL+placebo群の3群を比較し、有効性、安全性を検討した第III相無作為化比較試験 (AVF2107g) が実施された。中間解析においてIFL+BVの安全性が認められたことから、以降のRPMI+BV群は中止され、IFL+BVとIFL+placeboの2群による検討が継続された。

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■有効性

主要評価項目のOS中央値は、placebo群15.6ヵ月に対してBV群20.3ヵ月であり、BV併用による有意な延長が認められた (HR=0.66, p<0.001)。また、PFS中央値もそれぞれ6.2ヵ月、10.6ヵ月であり、有意に良好であった (HR=0.54, p<0.001)1)。この結果を受けて2004年2月に米国FDAは、切除不能進行・再発大腸癌に対する1st-lineにおいて、5-FUを基本薬剤としたレジメントの併用薬としてBVを承認した。

 
IFL + placebo IFL + BV HR p値
OS中央値 (月) 15.6 20.3 0.66 <0.001
1年OS (%) 63.4 74.3   <0.001
PFS中央値 (月) 6.2 10.6 0.54 <0.001
奏効率 (%) 34.8 44.8   0.004
 CR 2.2 3.7    
 PR 32.6 41.0    

■安全性

Grade 3/4の有害事象は、placebo群と比較してBV群では約10%高く、その差の多くはgrade 3の高血圧やgrade 4の下痢、白血球減少によるものだった。

Reference

  • 1) Hurwitz H, et al.: N Engl J Med. 350(23): 2335-2342, 2004[PubMed
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