ステージIII症例に対しては、海外・国内ともに術後補助化学療法の意義が認められており、原則的に施行する。海外ではFLOX(NSABP C-07試験)、FOLFOX4(MOSAIC試験)の有用性が証明されているが、本邦では術後補助化学療法でのL-OHPは保険適用外である。

現時点では、ステージIIハイリスク患者に対する術後補助化学療法の意義が証明された臨床試験はないが、DFSをある程度改善する効果はみられる(MOSAIC試験)ため、若年患者や治療意欲の高い患者には、提示すべきであろう。
高齢者に関しては、70歳代でも元気な患者は多いため、本人や家族とよく話し合い、前向きに検討することが勧められる。独居、認知症があるなど、安全性やコンプライアンスが懸念される場合は、入院での施行も検討する。
80歳以上の患者に対しては術後補助化学療法を行わないことも多いが、高齢患者は全身の健康状態、病気に対する考え方、家族のサポートの有無など、個人差が大きいため、患者や家族に提示し、話し合うことが必要である。