WEBカンファレンス | 掲載した治療法は、カンファレンス開催時点での最新知見に基づいて検討されたものです。

CASE 10 食道癌 2005年11月開催

CASE10 写真

私が考える治療方針

久保田先生

TS-1/CDDPに放射線療法を併用

胸部下部食道(Lt)から腹部食道(Ae)にかけての腺癌ですから、胃癌治療に準じてTS-1/CDDPを行います。TS-1は80mg/m2で3週間連続投与し、CDDPは6mg/m2で5日間投与2日間休薬で3週間のスケジュールです。それに放射線療法を併用します。照射量は50Gyです。その後、狭窄が改善しない場合のみ手術を考慮しますが、遠隔転移があり、全身性ですので、放射線化学療法でコントロールできれば手術を必要とする可能性は低いと考えます。

久保田先生 写真

坂本先生

TCF(TXL/CDDP/5-FU)regimenに放射線療法を併用

食道癌ですが、腺癌ですから、胃癌と類似の治療を考えるべきだと思います。TCF regimen(TXL 80mg/m2、CDDP 25mg/m2、5-FU 600mg/m2をすべて週1回bolus投与)による治療が成績もよく、毒性も予想より低かったので期待しています。基本的には、それに放射線療法を併用します。45Gyで2〜3ヵ月間照射し、その後の経過によっては手術の適応も考慮しますが、通過障害を改善することが当初の目的であるならば、放射線化学療法による治療でも十分ではないかと思います。

坂本先生 写真

大村先生

LV/5-FUに放射線療法を併用し、場合によっては手術施行

まず、放射線化学療法を行います。扁平上皮癌の場合にはCDDP/5-FUがゴールデンスタンダードですが、本症例は腺癌ですのでLV/5-FUに放射線療法を併用するのが効果的だと思います。放射線療法では50〜60Gyを照射し、その反応をみながら手術に踏み切ります。放射線化学療法がリンパ節転移に著効し、stageが下がって、原発巣だけが残っているような場合にのみ手術の適応があると思います。

大村先生 写真

佐藤先生

CDDP/5-FUに放射線療法を併用

ご高齢であることと、進行食道癌の腺癌であることの2つがポイントです。高齢で、食事が通りにくいという状況から、私は放射線化学療法を考えます。ある程度regimenが完成され、認知されているCDDP/5-FUを放射線療法と併用します。JCOG9516 studyのregimenでよいと思います。CRを目標としますが、CRでないときは場合によっては手術も考慮します。

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瀧内先生

FP(CDDP/5-FU)療法を含む放射線化学療法を選択

Stage IVaであること、通過障害があることから考えて、放射線化学療法が基本になると思います。TAX 325 studyで、TXT/CDDP/5-FUが初めてCDDP/5-FUをOS期間において有意に上回ったことが報告されています。若年者で、通過障害がなければこの化学療法レジメンを使用することも考えますが、ご高齢であること、responderに対して放射線化学療法を継続するのと手術に移行するのとで差はないというエビデンスがあることを考慮して、手術はせずにFP療法を含む放射線化学療法を選択するのがよいと考えます。

瀧内先生 写真
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