76歳、男性 | |
黒色便 | |
70歳時に心筋梗塞 |
2005年10月、黒色便に気付き来院。胃内視鏡検査にて巨大な粘膜下腫瘍を認め、精査・加療目的で入院となる。
入院時現症
- 身長165cm、体重55kg
- 左季肋部に腫瘤を、右季肋部に肝を3横指触知
入院時検査所見: |
Hb 9.0 g/dLと貧血を認める以外は正常値で腫瘍マーカーも陰性であった。 | |
胃内視鏡所見: |
噴門部直下後壁側に表面平滑な粘膜下腫瘍を認め、中心に深掘れ傾向の強い潰瘍が存在した。 | |
腹部CT所見: |
胃後壁と連続性を有し、壁外に発育する巨大な腫瘍を認めた。さらに肝S2、S3、S6、S8にlow density areaを認め、転移性腫瘍と考えられた。 | |
病理組織学的検査: |
潰瘍辺縁からの生検により、楕円形の核を持つ紡錘形細胞が束状増殖を示し、免疫組織化学的検索ではvimentin、CD117(c-kit )、CD34で発現を認めた。 |
胃GIST、肝転移と診断しimatinib mesilate (以下、imatinib) 400mg/日で治療を開始した。約1ヵ月後の腹部CTにて原発巣および肝転移巣はともに30%以上縮小し、PRと判定した。しかし、同時期の血液・生化学検査にてグレード3の白血球減少ならびに貧血の進行を、また身体所見として眼瞼および下腿にグレード2の浮腫、体幹にもグレード2の皮疹を認めた。
1) | Imatinibの投与継続について:中止あるいは減量、減量なら何mg/日を使用するか |
2) | Second line治療について |
出題:瀧内先生