消化器癌治療の広場 GIcancer-net
患者 | 48歳、女性、フラワーアレンジメント教室講師 |
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既往歴 | 子宮筋腫(37歳) |
合併症 | 特になし |
家族歴 | 特になし |
嗜好品 | 機会飲酒 |
患者の希望 | 仕事に復帰したい。 |
ステージIIIa上行結腸癌。アジュバントとして5-FU/LVを6ヵ月間投与。術後2年の経過観察中に多発肝転移が見つかり、切除不能と診断された。
・身長164cm、体重55kg
・PS 0
・腹部平坦、肝を3横指触知する以外、著変なし。
【血液学的検査】 | 【生化学的検査】 | 【腫瘍マーカー】 | |||
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WBC | 5,500/μL | BUN | 12mg/dL | CEA | 1,080 ng/mL |
RBC | 386×104/μL | Cr | 0.72mg/dL | CA19-9 | 22 U/mL |
Hb | 11.5g/dL | T-Bil | 0.9mg/dL | ||
Plt | 19.8×104/μL | AST | 42 IU/L | ||
ALT | 62 IU/L | ||||
γ-GTP | 87 IU/L |
【腹部CT検査】
肝両葉に多発する肝転移を少なくとも10個以上認める(H3)。
1st-lineとしてFOLFOX+Bevacizumab療法8サイクル施行後、神経毒性が強くOxaliplatinを除いて5-FU/LV+Bevacizumab療法を8サイクル投与した。1st-lineでPDとなったため、その後、2nd-lineとしてFOLFIRI療法を6サイクル施行した。
現在、3rd-lineとしてIrinotecan+Cetuximabを施行中。腫瘍縮小がみられ、マーカーの値も徐々に低下している。治療開始10日ごろから皮膚症状が出現し、皮膚症状に対するストレスを訴えている(詳細は下表参照)。
治療期間 | CEA | |
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10日ごろ | 顔面および背中にざ瘡様皮疹(Grade 1) | 425 |
28日 | ざ瘡様皮疹が頭皮にも広がる 部分的に痛みを伴いGrade 3と判断。皮疹に対する患者の気分の落ち込みが激しい |
120 |
35日 | 上肢の皮膚乾燥、爪囲炎(Grade 1) | 75 |
42日 | 腫瘍の縮小が認められ、PRと診断 | 32 |
・皮膚障害に対する予防的治療は行うべきであったか?
・テトラサイクリン系抗生剤の予防的投与は有効か?
・皮膚障害に対する拒否反応が強い患者には、どのように対応すべきか?
・チームとしての対応は?
出題:瀧内先生
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