WEBカンファレンス | 掲載した治療法は、カンファレンス開催時点での最新知見に基づいて検討されたものです。

CASE3 大腸癌肺転移 2004年11月開催

CASE3 写真

私が考える治療方針

瀧内先生

Best supportive careがbest choice

大腸癌に有効な薬剤で残されているのはCPT-11だけですが、肝硬変を合併していることや入院時の所見を考慮すると、この患者さんにCPT-11は使えないと思いますので、推奨できる治療法はbest supportive careだと考えます。それでも強く治療を希望されるのであれば、5-FUの持続静注によるLokich regimenを行います。これは抗腫瘍効果をねらったものではなく精神的苦痛を取り除くという意味合いが強いものとなります。しかし早晩治療を中断せざるを得ないでしょうね。

瀧内先生 写真

佐藤先生

基本はbest supportive care、もしくはCPT-11単剤投与かRPMI regimen

肝硬変が数値以上に進んでいる印象を受けますので、私もbest supportive careを患者さんにお話します。その上で治療をご希望されるなら臨床研究としての治療法を提案します。これまで5-FU系が使われているので、CPT-11単剤を選択します。MMCとの併用も考えられますが、さらに肝毒性や血小板低下をまねく恐れもありますので、単剤として使います。またこれまでの5-FU系は持続静注されていますので、bolus静注によるRPMI regimenを用いることも考えます。

佐藤先生 写真

坂本先生

CPT-11単剤投与、あるいはcetuximabとの併用も

まず患者さんのご希望、経済状況、および治療への理解度について確認したいと思います。治療について十分なご理解がいただけて経済的にも余裕があるかたでしたら、最初は入院してCPT-11単剤による治療を行います。低用量からスタートし、様子を見ながら増減します。また日本では未承認ですがcetuximabと併用投与を行うこともオプションとして考えてもよいのではないでしょうか。

坂本先生 写真

大村先生

Modified Saltz regimenを経過観察しながら慎重に投与

私も考えられる治療はCPT-11を基本とするレジメンだと思います。また、ご本人が積極的な治療を切望されていますので、できればmodified Saltz regimenを使いたいと思います。PSも良好ですし。もちろん、この患者さんは肝硬変があるのでCPT-11は50〜60mg/m2程度に減量し、weekly投与で開始します。様々な5-FU系薬剤投与の既往がありますが、CPT-11の効果増強を期待してIS/5-FUをCPT-11と併用します。予想される有害事象についての十分な説明と慎重な経過観察が重要であることは言うまでもありません。

大村先生 写真
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