WEBカンファレンス | 掲載した治療法は、カンファレンス開催時点での最新知見に基づいて検討されたものです。

CASE3 大腸癌肺転移 2004年11月開催

CASE3 写真

症例プロファイル

患者 57歳、男性
主訴 なし
既往歴 肝硬変、糖尿病
家族歴 父 腎癌
嗜好品 喫煙 20本/日(40年)  飲酒 2合/日(30年)
患者の希望 多少の副作用は我慢するので、病気を少しでも抑えて欲しい。できれば外来病院で治療して欲しい。

現病歴

  • 平成13年5月5日、他院にて結腸左半切除術を施行
  • 切除標本腫瘍径:5.4x4.7cm
  • 病理組織学的所見:
    type2、well、ss、ly1、v2、ow- 、aw- 、n0、stageU
  • 術後、5’-DFURを2年間投与
  • 平成15年12月、血清CEA値の上昇(22.3 ng/ml)を認めたためFDG-PETを施行、左肺野・左肺門・縦郭に異常集積を指摘
  • 左肺腫瘤に対するCTガイド下針生検では、大腸癌肺転移と診断
  • その後TS-1の投与が開始されたが、CEAの再上昇を認め、平成16年4月よりLV/UFTに変更
  • CEA値は増加を続けるため加療目的で当科を紹介

身体的所見

  • 身長173cm、体重71kg(最近6ヶ月間に変化なし)
  • 体温:36.5℃、血圧:142/88mmHg、脈拍:76/min
  • 呼吸音:正常、心雑音:聴取せず
  • 腹部:平坦、軟、肝・脾は触知せず、腹水無し
  • 前胸部にくも状血管腫
  • 眼瞼結膜、貧血なし、眼球結膜、黄疸あり
  • PS(Performance Status):0
  • 肝硬変: Child A(Child-Pugh 分類)
  • 前医にて病名、再発の状態、再発後に行なった治療の内容やそれらの効果などについて全て包み隠さず説明を受けている。また、肝硬変の状態も十分理解している。

検査所見1

血液学的検査
WBC 3,300/µl Neutro 60%
RBC 449×104/µl    
Hb 16.7g/dl    
Plt 6.2×104/µl    
生化学的検査
TP 6.8g/dl T-bil 1.9mg/dl
Alb 3.3g/dl D-bil  
Na 143mEq/l AST 39U/l
K 3.8mEq/l ALT 22U/l
Cl 102mEq/l ALP 522U/l
Ca 9.1mg/dl LDH  
BUN 13mg/dl γ-GTP 178U/l
Cr 0.7mg/dl HbAlc 7.8%
PT 12.8sec FBS 157mg/dl
腫瘍マーカー
CEA 52.8ng/ml    
CA19-9      

検査所見2

胸部〜骨盤CT検査所見

両側多発性肺転移、縦郭・左肺門リンパ節転移・肝硬変・食道静脈瘤。腹水の貯留無し。

上部消化管内視鏡検査所見

食道静脈瘤 (Li,F1,Cb,RC-)、胃静脈瘤 (Lg,F1-2,Cb,RC-)、慢性萎縮性胃炎。

全結腸内視鏡検査所見

結腸左半切除術後状態。他に異常所見を認めず。

出題:大村先生

WEBカンファレンスのトップへ
私が考える治療方針
このページのトップへ
  • トップ
  • 論文紹介 | 最新の論文要約とドクターコメントを掲載しています。
  • 消化器癌のトピックス | 専門の先生方が図表・写真を用いて解説します。
  • WEBカンファレンス | 具体的症例を取り上げ、治療方針をテーマに討論展開します。
    • CASE3 大腸癌肺転移
    • 症例プロファイル
    • 私が考える治療方針
    • ディスカッション 1
    • ディスカッション 2
    • ディスカッション 3
    • ディスカッション 4
  • 学会報告 | 国内外の学会から、消化器癌関連の報告をレポートします。
  • Doctor's Personal Episode | 「消化器癌治療」をテーマにエッセイを綴っています。
  • リレーエッセイ | 「消化器癌」をテーマにエッセイを綴っています。