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経口投与可能なのでTS-1ベースの併用療法を
まだ年齢も若くPS 1であり通過障害もないので、first line therapyとして経口剤であるTS-1をベースとした併用療法を行い、併用薬には水腎症を考慮してtaxaneを選択します。その後無効となった場合に水腎症が改善していれば、TS-1/CDDPに変更します。腰痛からの開放を希望されていますので、高い腫瘍縮小効果をもつ併用療法を行うべきだと考えます。胃癌にはTS-1という有効な経口剤があるのですから、通過障害を認めない場合にはそれを優先して用いたいものです。
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TS-1/CDDPまたはtaxane/CDDPの併用療法、奏効すれば切除も
大村先生と同じ考えです。クレアチニンクリアランスが100近くあればTS-1/CDDP、もしくはtaxane/CDDPを使います。First line therapyが奏効して腫瘍が消失することもあるので、neo adjuvant的な考え方も含めた治療をしたいと思います。腰椎には放射線治療を行います。可能性は低くても、癌を切除することも念頭において、できる限りの治療をfirst lineで行うべきではないかと考えます。
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癌性骨髄腫のリスクがあるので最もエビデンスのあるMTX/5-FU
低分化腺癌で、腹水もあり、しかも癌性骨髄腫を起こしやすい状況にあるので、このような状況でfirst line therapyとして一番使えるのはMTX/5-FUだと思います。ただ、微熱傾向があり白血球数やCRPも若干高い点が気になりますので、治療には十分な注意が必要です。水腎症があっても、この患者さんは腎臓そのものに障害がある訳ではないので、MTX/5-FUを使うことによって逆に水腎症が改善することもありえます。癌性腹水が主で、癌性骨髄症のリスクが少なければTS-1/CDDPを選びますが、癌性骨髄症のリスクが高ければMTX/5-FUを選択します。

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有効な薬剤の併用療法をfirst line therapyで
この症例の治療のポイントの一つは、水腎症があることと白血球やCRPが若干高いことであり、もう一つのポイントはsecond line以降の治療戦略を視野に入れて、有効な薬剤をfrontlineで使い切るかそれともsequentialに使っていくかということです。この症例の場合は初回治療を失敗すると次がないので、最初から併用療法を行いたいと思います。私の選択としてはMTX/5-FU、或いはsecond lineでは経口剤は使用できない可能性もあるのでTS-1+XはTS-1/Taxolになると思います。
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