WEBカンファレンス | 掲載した治療法は、カンファレンス開催時点での最新知見に基づいて検討されたものです。

CASE5 大腸癌リンパ節転移 2005年3月開催

CASE5 写真

ディスカッション 3

患者さんのQOLを考慮した外来治療を

久保田:先ほど瀧内先生から外来portのお話がありましたが、実際、portの抜針はどうなさっていますか。

瀧内:われわれの施設ではまだ port設置は行っておりませんが、今後FOLFIRIやFOLFOXを実施する場合には必要になるかと思います。たぶん、患者さんご自身で抜針していただくようになると思うのですが。

久保田:国立がんセンターでFOLFOX 6を実施していて、患者さんは2週に1回外来で2時間のbolus投与を受けて、その後、46時間後の抜針は自己抜針すると聞きました。現在は大きな施設ではDPCが導入されており、外来化学療法が非常に重要になってきました。これに加えて患者さんのQOLを考えると自己抜針も考慮しなければいけないと思います。

坂本:ある意味では一番合理的ですね。

久保田:そのportは肋骨の上に入れているとのことですが、鏡を見ないと抜針できないそうです。

大村:本当は左の肋弓下が一番よいのです。腹部の皮膚の痛覚は鈍いですし、抜針が自分でできますから。肋弓下だとお腹にぐっと力を入れて、腹筋でこらえることもできます。また、肋弓下がよいもう 1 つの理由に、皮下脂肪や筋肉といった軟部組織が豊富で、port 上の皮膚が圧迫壊死に陥る危険が少ないことが挙げられます。大胸筋もクッションの役割を果たしますが、萎縮してくると port が真上の皮膚を圧迫し、やがてむき出しになる可能性が出てきます。

久保田:腕に入れるのがよいと聞いたこともありますが、夏に薄着になるとちょっと目立ちます。でも、私は肝動注で portを使うときは右下腹部に入れています。

坂本:昔から、外科医が治療をするときにはそういった方法を使っていましたね。

久保田:話は変わりますが、FOLFOX 4だと2週に2回通院しなければならないという点がありますが、将来的にはどうでしょうか。

坂本:FOLFOX 4だとLVの投与が2回ですからね。

瀧内:将来的にはFOLFOX 6になると思うのですが、L-OHPの承認条件が非常に厳しいということを考えますと、最初はFOLFOX 4で治療するのが一番よいのではないかと思います。

坂本:FOLFOX 6や 7 を評価する研究を行うという principleで、正式に病院のIRBを通してFOLFOX 6などのclinical trialを実施するというのも 1つの手段だと思います。

久保田:ただ、日本人に関してはFOLFOX 4のデータすらないわけですから、前向きのデータをきちんとつくることが大事ですね。

坂本:それは必要不可欠なことだと思います。

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