WEBカンファレンス | 掲載した治療法は、カンファレンス開催時点での最新知見に基づいて検討されたものです。

CASE5 大腸癌リンパ節転移 2005年3月開催

CASE5 写真

私が考える治療方針

大村先生

FOLFOX 4をそのままかL-OHPを減量して行う

IFL regimenが無効となり、TS-1も副作用で使えないということですので、IFL regimenのLV/5-FUにoxaliplatin(以下、L-OHP)をオンする方法、いわゆるFOLFOX 4 regimenを選択します。L-OHPの用量は85mg/m2のまま実施するか85mg/bodyに減量します。ただし、いずれの場合も、L-OHPによる神経症状などの副作用を患者さんに十分に説明して治療することが必要です。

大村先生 写真

坂本先生

FOLFOXあるいはその他のL-OHPベースの併用療法

大村先生と同様にFOLFOXを行いますが、患者さんのニーズを十分考慮して、FOLFOX 4、または6、7のいずれを実施するかを選びます。あるいはFUFOX(AIO regimen+L-OHP)、Modified de GramontにL-OHPをオンする治療法を選択肢としてもよいかと思います。基本的にはL-OHPの併用療法を実施し、refractoryになったら分子標的治療薬をトライしてみるのも1つの方法ではないかと思います。ただし、分子標的治療薬は未承認につき混合診療となります。

坂本先生 写真

瀧内先生

Portを挿入してFOLFOX 4で外来治療

私もFOLFOX 4を行います。日本におけるL-OHPの適用承認に沿った方法で実施したいと思います。それも port を挿入して、外来治療として2週間に2回通院していただいて治療したいと考えます。将来的にはFOLFOX 6で治療したいのですが、承認直後という時期を考えますと、この患者さんはFOLFOX 4の適用になるかと思います。

瀧内先生 写真

佐藤先生

FOLFOX、場合によっては5-FU持続投与か経口抗癌剤を

この患者さんはFOLFOX 4または 6 の適用になると思います。通常の日常生活を送りたいと希望されていますので、port を装着して治療します。L-OHPが使用できない場合には5-FU持続投与の方向で治療を考えて、通常のde GramontまたはAIO regimen、もしくは経口抗癌剤を選択します。TS-1で副作用が出たということですので、用量変更で投与が可能かどうか、もしくはLV/UFTが投与可能かどうかを確認しますが、できればFOLFOXのregimenを行いたいと思います。

佐藤先生 写真

久保田先生

実地診療としてはTEGAFIRI regimenによる外来投与が最適

TS-1で副作用が出たということですが、LVが忍容できるのなら IFL regimenのirinotecan(以下、CPT-11)を残してTEGAFIRI regimenで外来治療としてもよいと思います。FOLFOXも選択可能だと思いますが、病院内でL-OHPの採用に時間がかかるようでしたら、実地診療としてはTEGAFIRIが適していると思います。L-OHPは決して夢の薬ではありませんので、慎重に導入する必要があると思います。

久保田先生 写真
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