WEBカンファレンス | 掲載した治療法は、カンファレンス開催時点での最新知見に基づいて検討されたものです。

CASE5 大腸癌リンパ節転移 2005年3月開催

CASE5 写真

症例プロファイル

患者 60歳、女性
主訴 特になし(大腸癌リンパ節転移指摘)
既往歴 特になし
家族歴 悪性腫瘍なし
嗜好品 機会飲酒、喫煙なし
患者の希望 現在は外来治療を受けながら通常の日常生活を営んでいるので、外来治療を続けたまま病気を治してもらいたい。

現病歴

平成10年7月、A病院で進行上行結腸癌のため拡大右半結腸切除術(D3)を受けた。病理組織学的所見はmoderately differentiated adenocarcinoma、Stage III であった。UFT補助化学療法を1年受けたあとフォローアップされていたが、平成13年7月の3POYフォローアップCTにより肝S8の単発肝転移を発見された。同8月、B病院へ紹介され、転移巣の部分肝切除を受け、その後はB病院でフォローアップされていた。しかし肝切除後2年目、初回手術後5年目の平成15年8月にフォローアップCTで大動脈周囲リンパ節再発を指摘され、再度A病院へ転院。A病院ではIFL療法(irinotecan 80mg/m2、l-LV 250mg/m2、5-FU 500mg/m2)を週1回3週投与1週休薬で開始した。その後、CT上リンパ節はNCであったが、平成16年9月になり腫瘍マーカー(CEA)の上昇が認められた。そこでTS-1 80mg/m2の経口投与が試みられたが、強い消化器症状をきたし、患者の希望によりTS-1を断念し再度 IFL療法が再開された。CT上リンパ節はNCでCEAは漸増傾向あり、平成17年1月になってVirchowリンパ節を触知するようになった。

身体的所見

  • 眼瞼に貧血・黄疸なし
  • Virchowリンパ節触知
  • 胸部心肺理学的異常所見なし
  • 腹部軟平坦
  • 肝・脾・腫瘍触知せず
  • 腹部正中・右傍肋骨弓切開創あり
  • 下肢に浮腫なし

検査所見

  • 末血・肝機能異常なし
  • BU 19
  • CRTNN 0.8
  • CEA 52
  • CA-19-9 173
  • 胸部レ線異常陰影なし
  • 腹部 US
  • CT 傍大動脈リンパ節腫脹(転移)
  • 腹水貯留なし
  • 肝再発なし

出題:久保田先生

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