TS-1/CDDPを用いたchemo-radiotherapy
実地臨床としてTS-1/CDDPによるchemo-radiationをやってみたいと思います。TS-1は80mg/body/dayで開始し、CDDPは6mg/m2 を 5投 2 休で投与しますが、このregimenはfeasibilityがよいのでTS-1が投与可能であれば大丈夫だと思います。Radiationは合計40Gyを原発巣に対して照射し、縦隔転移リンパ節には当てません。3週間を1クールとしてまず 2クール行い、その時点でオペか外来化学療法かを考えます。
TS-1/CDDPまたはCPT-11/CDDP療法
経口投与が可能でしたら、radiationはせずにTS-1/CDDPで治療します。その際、CDDPは減量し、TS-1はfull doseでいきます。経口投与ができない場合は、first line therapyとして最強の静注regimenであるCPT-11/CDDPを減量して投与します。いつかはrefractoryになりますから、その時に経口摂取が可能になっていればただちにTS-1/CDDPに移行します。
5-FU持続静注+weekly taxolの入院治療
経口摂取ができないという前提ですと、5-FUと taxane系の taxol または taxotere を使用します。基本的には、5-FU(500mg/m2 または400mg/m2)持続静注と taxol(80mg/m2)のweekly投与を、入院していただいて併用で行います。それで症状が軽減するようでしたら、TS-1/CDDPなどのregimenに変更します。本症例のような late stageの方には、できるだけたくさんの薬を迅速に使ってあげることがよいのではと思っています。
栄養ルートを確保した上で TS-1単剤投与
将来増悪した時に狭窄を生じる可能性を考えて、最初に内視鏡的に胃瘻を形成して栄養ルートを確保した上で、TS-1を単剤として投与したいと考えます。PSと年齢を考慮してcombination therapyは避けたいと思います。TS-1が投与できない場合は、入院していただいて5-FU(800mg/m2)の静注投与を行う可能性もあります。また将来的には、chemo-radiationがattractiveなオプションになると期待しております。
TS-1/CDDP、場合によってはradiationを併用
噴門部癌で縦隔リンパ節転移がある場合は、TS-1/CDDPに奏効してオペが可能になることも多く経験していますので、経口投与可能であれば TS-1/CDDPを投与します。しかしオペ後も転移リンパ節は残る場合があるので、その時はradiationを併用した治療も考慮すべきだと考えます。ご高齢でPS 2の患者さんに対しても、ご本人が化学療法を希望されている場合はできるだけ希望に沿いたいと思います。