WEBカンファレンス | 掲載した治療法は、カンファレンス開催時点での最新知見に基づいて検討されたものです。

CASE6 胃癌リンパ節転移 2005年3月開催

CASE6 写真

症例プロファイル

患者 80歳、女性
主訴 食欲不振、食後のつっかえ感
既往歴 糖尿病(50歳)、高血圧(60歳)、現在経口剤服薬中
家族歴 特記事項なし
嗜好品 飲酒、喫煙
患者の希望 癌病名告知を受けている。本人および家族とも手術はできれば避けたい。やむを得ない場合は仕方がない。抗癌剤治療は了承するが、副作用はできるだけ少なくして欲しい。また、家族からは治療は入院を主体にしてほしい。

現病歴

平成16年7月上旬頃より、食欲不振、食後のつっかえ感出現。近医にて上部内視鏡施行、噴門部Borrmann 3型胃癌(病理;中分化腺癌)と診断され、当院に紹介入院となった。

身体的所見

入院時

  • 身長142cm、体重38kg
  • 体温36.5℃、血圧127/70mmHg、脈拍85/分
  • PS:2
  • 眼瞼結膜軽度貧血あり、眼球結膜黄疸なし
  • 心肺ともに雑音なし
  • 腹部平坦、軟、腹水の所見は認めず
  • 心窩部に軽度の圧痛あり
  • 四肢に浮腫は認めず
  • 食事は時間をかけて半分程度を何とか食べている

腹部CT検査に腹水を含めて転移所見は認められなかった。 肺CT検査で縦隔に多発リンパ節転移所見を認める。 上部消化管内視鏡所見では、前医と同様の所見であり、胃食道接合部付近に狭窄を認めるもののファイバーは何とか通過する。

検査所見1

血液学的検査
WBC 4,080/µl RBC 260×104/µl
Hb 8.9g/dl Ht 27.0%
Plt 21.0×104/µl    
腫瘍マーカー検査
CEA 56.2AU/ml CA19-9 102.0AU/ml
尿一般検査
尿蛋白 (−) 尿糖 (−)
尿ウロビリノーゲン (+/−) 尿ピリルピン (−)
尿潜血 (1+) 尿白血球 (−)

検査所見2

生化学的検査
TP 5.9g/dL Amy 65U/L
Alb 3.4g/dL T-cho 210mg/dL
T-Bil 0.9mg/dL UA 4.0mg/dL
D-Bil 0.2mg/dL BUN 17.4mg/dL
AST 23U/L Cr 0.8mg/dL
ALT 15U/L Na 139.2mEq/L
LDH 230/UL K 3.9mEq/L
ALP 204/UL Cl 102.0mEq/L
γ-GTP 15U/L Ca 7.9mg/dL
ChE 230/UL BS 201mg/dL
CPK 73/UL CRP <0.5mg/mL

出題:佐藤先生

WEBカンファレンスのトップへ
私が考える治療方針
このページのトップへ
  • トップ
  • 論文紹介 | 最新の論文要約とドクターコメントを掲載しています。
  • 消化器癌のトピックス | 専門の先生方が図表・写真を用いて解説します。
  • WEBカンファレンス | 具体的症例を取り上げ、治療方針をテーマに討論展開します。
    • CASE6 胃癌リンパ節転移
    • 症例プロファイル
    • 私が考える治療方針
    • ディスカッション 1
    • ディスカッション 2
    • ディスカッション 3
    • ディスカッション 4
  • 学会報告 | 国内外の学会から、消化器癌関連の報告をレポートします。
  • Doctor's Personal Episode | 「消化器癌治療」をテーマにエッセイを綴っています。
  • リレーエッセイ | 「消化器癌」をテーマにエッセイを綴っています。