OPTIMOX regimenを3〜6ヵ月間行う
ly3 、v3 、TS mRNA高値ですから、高リスクのstage IIだと思います。MOSAIC trialやQUASAR trialにおいて、術後化学療法により約3%の生存率向上効果があることが報告されていますので、そうした事実を説明した上で患者さんに決断してもらいます。私の意見としては、OPTIMOX regimenで3〜6ヵ月間、FOLFOXを行います。ただし、術後補助化学療法では、FOLFOXは保険診療外になりますので、その点には注意が必要です。
5-FUの効果に期待
Stage IIでも高リスクの症例ですから、化学療法を行います。術後3週経過時くらいから始めて、6ヵ月間行います。NSABP C-06やN・SAS-CCの臨床試験を参考にすると、LV/UFTなどのUFTベースの治療が1つの選択肢になります。p53蛋白が陽性ですから、いずれにしても5-FU baseのregimenを選択すべきでしょう。Follow upの間隔については、腫瘍マーカーは最初の1年は月に1回測定します。CT検査は、最初の1〜2年は年に3回、その後は年に2回、5年を過ぎたら年に1回のペースで実施することを目標にします。
MOSAIC trialと同じFOLFOX 4 regimen
ly3 、v3 、p53蛋白陽性との所見から、再発のリスクの高いstage IIと考え、術後化学療法を行います。Regimen選択の判断は難しいところですが、MOSAIC trialで実施されたFOLFOX 4 regimenを選択します。TS mRNAが高いですから、5-FUは効きにくい可能性があります。L-OHPについては結果が出ていない状況では、MOSAIC trialで術後化学療法としてのFOLFOX 4の臨床的効果がすでに示されていることは大きな参考になります。
エビデンス的には術後化学療法は行わず、経過観察
エビデンス的には術後化学療法は行わず、2〜3ヵ月ごとにCT検査を行い、follow upすることになりますが、lv3 、v3 であり、プラクティカルにはRPMIまたはLV/UFTを6ヵ月行う場合が多いと思います。
Roswell Park regimen、あるいはLV/UFTを6ヵ月間
高リスクのstage II 大腸癌に対する術後化学療法については、『大腸癌治療ガイドライン医師用2005年版』に明確な記載がありません*ので、判断に迷うところだと思います。MOSAIC trialのエビデンスはありますが、日本ではFOLFOXによる術後化学療法は保険診療上は認められていません。Roswell Park regimen、あるいはLV/UFTを6ヵ月間行うというのが、現在の日本の日常診療でとりうる選択肢だと考えます。
*「再発高リスクstage II結腸癌に術後補助化学療法を行う場合もある」と記載されている