
Q. スタッフ教育はどのようにされていますか。
外来治療室開設の話が出たときから、がん診療について院内スタッフに啓蒙する必要があると感じ、勉強会を始めました。すでに8年ほどの歴史があり、現在は「がん治療セミナー」と呼ばれています。月1回のペースで開催し、毎回50名ほどのスタッフが参加しています。地域がん診療連携拠点病院に指定されてからは、地域の医師や医療従事者の方々にもお知らせして、ご参加いただいています。
毎回2種類のテーマを設け、1つはがん治療関係、もう1つは緩和医療やがん看護などを取り上げています。
また、スタッフ教育としては、薬剤師や看護師のがん専門職を育てていくことも重要ですので、病院に働きかけをしていきたいと思っています。
Q. スタッフの認定資格取得に関して、サポート体制などはあるのでしょうか。
がん専門薬剤師の資格取得には3ヵ月間の研修が必要ですが、すでに管理職にあったため、病院を不在にすることができませんでした。幸い、当院が日本臨床腫瘍学会の認定研修施設だったこともあり、論文発表と試験で合格となり、資格を取得しました。ただ、この間の費用はすべて自費でしたので、なかなか大変でした。また、資格の維持には関連学会への出席が必要ですが、現在は、病院からある程度の補助が支給されるようになりました。
私はがん化学療法看護認定看護師の資格を持っていますが、当院にはそれ以前に認定資格を取った看護師はいませんでしたし、当時は資格取得に対するサポート体制もありませんでした。そのため、退職して資格を取る決意を固めましたが、ちょうど病院側でもサポート体制を準備していたところで、出張として6ヵ月間の研修に行くことができました。2009年からは学会も年2回までは出張扱いになり、参加しやすくなりました。
Q. 地域での病病連携、病診連携はどのようになっていますか。
すべてを自分の施設で行おうと思っても限界があります。5大がんに加え、婦人科がん、泌尿器がん、頭頸部がんなどでも、年に新規患者が10例以上あるものについては、院内で診療できる体制を整えていこうと考えています。一方、症例数の少ない皮膚がんや小児がんなどは、基本的にはより専門性の高い施設に任せたほうがよいと考え、他のがん診療連携拠点病院や大学病院と連携しています。逆に、肺がんに関しては、隣接の砺波医療圏では専門的な診療が難しいため、患者さんが当院に紹介されます。このように、拠点病院間でカバーし合うことも重要ではないかと思います。
病診連携に関しては、富山県で5大がんの病診連携パスをつくることになっています。ワーキンググループもでき、2009年中には何らかの形にすることになっています。
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