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第3回 熊本大学医学部附属病院 外来化学療法室

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熊本大学医学部附属病院では、2006年より臓器横断的がん診療の中心的組織としてがん診療センターと外来化学療法センターを開設し、県内のがん診療連携拠点病院として活動を行ってきた。また、2009年5月には拠点病院としてのさらなる機能強化のために組織を見直し、従来のがん診療センターと外来化学療法センターをがんセンターとして改組し、併せてがんセンターの下に外来化学療法室を設置した。今回は、その立ち上げの経緯やがん診療連携拠点病院としての役割、現状の課題や今後の展望などについて外来化学療法室 室長 佐々木 治一郎 先生にお話を伺った。

熊本大学医学部附属病院 外来化学療法室 室長 佐々木 治一郎 先生

熊本大学医学部附属病院 外来化学療法室の概要

 熊本大学医学部附属病院では、外来化学療法室の設置にあたり、2005年6月に「外来化学療法検討ワーキンググループ」が設置され、助教や講師などの実務担当者が中心となって配置図や内規、システムなどの検討を開始しました。そして、同年10月、設立された設置準備委員会においてオーダリングシステムの構築、外来化学療法マニュアルの作成などを進め、2006年に外来化学療法センターをスタートさせました。同年8月に都道府県がん診療連携拠点病院の指定を受け、臓器横断的がん診療の中心的組織としてがん診療センターを立ち上げ、より総合的ながん診療を開始しました。その後、2009年5月にこの2つの組織を「がんセンター」として改組するとともに、その下部組織として「外来化学療法室」を設置し、現在に至っています。
 外来化学療法センターは当初、兼任医師の私、それから兼任薬剤師1名、専従看護師3名、リクライニングチェア2床を含むベッド5床で運営がスタートしましたが、現在は私が専任医師として携わるとともに、専任のがん薬物療法認定薬剤師1名、専任のがん化学療法看護認定看護師1名を含む専任看護師5名、リクライニングチェア2床を含むベッド10床で運営しています(写真:外来化学療法室)。
 現在、月平均の化学療法施行件数は250〜300件で、これは病院全体の化学療法の件数の約60〜70%にあたります。当療法室開設当初から比較すると、外来で治療を受ける患者さんの割合はかなり多くなりました。また、登録されている化学療法のレジメン数は約140ありますが、実際に使用しているレジメン数は100程度のため、適宜整理をしているところです。なお、使用頻度の高いレジメンとしては、やはり適応がん種が幅広いことからゲムシタビンおよびドセタキセルを用いたレジメンです。

外来化学療法室
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