消化器癌治療の現場から|消化器癌への様々な取り組みをご紹介します。

第4回 県立広島病院 臨床腫瘍科

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患者さんにとって安全な化学療法実施のために

 患者さんには初回の外来化学療法の際にオリエンテーションを行いますが、まず医師が抗がん剤について指導を行い、看護師、薬剤師が患者さん説明用の資材、書籍、DVDなどをもとにフォローをしています。その際、治療の流れや血管外漏出、急性の悪心・嘔吐、infusion reactionなどについての患者教育を行います。しかし、なかなか1回の説明でご理解頂けることも少ないため、患者さんによっては、再診時に繰り返し服薬指導や説明をしています。また、臨床腫瘍科で診療を受けている65歳以上、70歳以上、75歳以上の患者さんはそれぞれ47%、31%、17%であり、高齢の患者さんが少なくありません。外来化学療法ではこうした高齢の患者さんの治療の場合、自宅での副作用管理が難しく、さらに内服の抗がん剤が処方されている場合はその服薬指導などが徹底されにくいことが懸念されます。こうした患者さんに対しては、副作用が起こりそうな時期に看護師による電話でのフォローアップを行ってもらっています。このように患者さんの状態すなわち副作用の有無や内服の抗がん剤が正しく服用できているかなどについて把握し、適切なタイミングで指導や対処を行うよう徹底しています。
 さらに、患者さんやそのご家族を対象として毎月「がんサロン」というものを開催しています。これは、臨床腫瘍科の医師、看護師、薬剤師や院内の栄養士、ケアマネージャーおよび地域の訪問看護ステーションのスタッフなどから、お薬の自己管理や副作用への対処、がんと食事などといった患者さんの生活やQOLの向上に結びつくようなテーマでのレクチャーを行ってもらうというものです。「がんサロン」はがん患者やご家族の交流の場としてとても有効なイベントとなっていますが、患者さんだけでなく医師をはじめ看護師や薬剤師にとっても、患者さんに向けてお話をすることで円滑なコミュニケーションが図れるようになりますので有効ですし、このような活動を通じて各職種においても業務に対する意欲向上がみられるようになってきています。

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