消化器癌治療の現場から|消化器癌への様々な取り組みをご紹介します。

第4回 県立広島病院 臨床腫瘍科

Page 1 Page 2 Page 3 Page 4

臨床腫瘍科の展望と課題

 まずは、化学療法の質の向上さらには在宅ケアやサービスの提供のために、各職種におけるさらなるスキルアップ、すなわちスペシャリストを育成していくことが重要と考えています。医師に関しては、当院は日本臨床腫瘍学会における研修施設でもありますので、がん薬物療法専門医を育成していくことを継続的な目標としています。看護師に関しては、がん化学療法看護認定看護師教育課程の受講予定者が1名おります。そして今後も認定看護師や、それに相当する知識をもつ看護師を増やしていくために院内研修会を定期的に開催しています。また、薬剤師についても前述した「がんサロン」でのレクチャーや服薬指導などを通じてより患者さんに身近な薬剤師となるよう日々取り組んでいます。
 また看護については、私たちが重要視している在宅での緩和ケアを考えたときに、今後ケアマネージャーの業務の内容やポイントについて精通している必要があるのではないかと考えています。現在の看護師は2名がケアマネージャーの資格を持っていますが、今後新しいスタッフを迎えた場合でも、地域におけるケアマネージャーやソーシャルワーカーとのカンファレンスなどを通じてコミュニケーションをとることが重要と考えています。
 さらに長期的には外来化学療法だけでなく入院での化学療法を含めた質の向上が必要になってくると考えていますので、臨床腫瘍科のような院内における化学療法に関連している部門や人材を「腫瘍センター」という組織のもと集約させていくということができればと考えています。この「腫瘍センター」構想で重要なことは、混合病棟としてさまざまな診療科のがん治療を外来、入院で行うことにあります。その中で外来と病棟または緩和ケア病棟の看護師がローテーションで業務にあたっていくことで化学療法や緩和ケアに精通した看護師が増えていき、がん看護の質が向上することが期待できます。すでに外来の看護師が数ヵ月緩和ケア科に赴くなど、今後を見据えた業務のローテーションが始まっています。こうした展望を含めて、今後もいかに患者さんやご家族が安心し、満足できるがん治療を提供していけるかということを追求していきたいと考えています。

県立広島病院・臨床腫瘍科
Page 1 Page 2 Page 3 Page 4
消化器癌治療の現場から 外来化学療法室訪問のトップへ
このページのトップへ
MEDICAL SCIENCE PUBLICATIONS, Inc.
Copyright(C) MEDICAL SCIENCE PUBLICATIONS, Inc. All Right Reserved.

GI cancer-net
消化器癌治療の広場

Supported by 武田薬品工業

Copyright © PharMa International Inc. All rights reserved.