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高知医療センター腫瘍内科は、2005年3月の開院以来、地域がん診療連携拠点病院として多くのがん化学療法を施行し、県内におけるがん治療に大きな役割を果たしてきている。ただ、こうしたがん診療拠点病院への患者の一極集中や患者数の急激な増加は、医療の質を低下させかねないものである。高知県内では拠点病院が高知市周辺にしかないため、患者さんがへき地から数時間かけての通院を余儀なくされることも多いといった環境の問題もふくめ、より質の高い医療提供ならびにへき地における医療環境の改善は重要な課題と考えられる。そこで今回、院内におけるチーム医療の確立や地域連携の推進などに尽力されている高知医療センター腫瘍内科 科長 辻 晃仁 先生にお話を伺った。
高知医療センターはがんセンター、循環器病センター、地域医療センター、救命救急センター、総合周産期母子医療センターの5つのセンター機能で構成されています。このうち、がんセンターに設けられている外来化学療法室は“外来ケアルーム”という名称で運営しており、がん専門看護師、がん化学療法認定看護師を中心に、より安全性の高い外来化学療法の実施に努めています。また、患者さんが快適に過ごせるよう多くの工夫を行っており、たとえばルーム内に多目的トイレを含む複数のトイレの設置や(写真1上)、腫瘍内科診察室をルーム内に配置することで(写真1下)、私を含めた計3名のがん薬物療法専門医(写真2)がいかなる時もすぐに対処できるようにしています。
現在、外来ケアルームではリクライニングソファー6床とベッド18床の計24床が稼働しており、化学療法の施行件数は月700〜800件、年間8,000〜9,000件に達しています。
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