消化器癌治療の現場から|消化器癌への様々な取り組みをご紹介します。

第9回 総合病院 国保旭中央病院 化学療法センター

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患者さんのニーズを反映した化学療法チームの働き

 外来化学療法では患者さんからも定期的な評価を受ける必要があると考え、患者さんへのアンケート調査を実施していま す。アンケート結果から、患者さんはがん診療に対して実にさまざまなニーズを抱えており (図2)、また、それぞれのニーズに対して専門職種による対応を希望されていることが明らかになりました (図3)。これを受けて医療ソーシャルワーカーは経済面での支援を、薬剤師は有害事象を中心とした薬剤指導を、看護師は患者さん用パス (図4) を用いて服薬や生活面での説明を行うなど、さらに積極的にチーム診療を実施するようになりました。

図2 がん治療で知りたいことについての患者さんニーズ
図3 化学療法の説明に対する患者さんニーズ
図4 患者さん用パス
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 特に薬剤指導において、FOLFOX+パニツムマブのような複雑なレジメンの場合、医師の説明だけでは不十分なことが多いため、薬剤師が再度1時間近くかけて患者さんやそのご家族に指導を行っています。化学療法センターでも、さらに看護師が患者さん用パスを用いて治療内容や有害事象などの理解度を確認するとともに、看護師の立場から日常生活上の指導などを行っています。当院で化学療法を受けられる患者さんの中には80歳に近いご高齢の方も少なからずいらっしゃいますので、治療や有害事象をしっかりご理解いただくためにも多職種それぞれの立場からの指導が役立っています。

 このように化学療法の質の向上のため、センターでは隔週で医師・看護師・薬剤師・医療福祉士による連携会議を開いています。センターの運営面での問題から患者さんの有害事象対策、経済的な問題まで討議し、必要に応じ外来担当医にもフィードバックしています。

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