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第二岡本総合病院は、京都府宇治市にある急性期医療の地域中核病院で、山城北二次医療圏に位置している。2006年12月、院内に設立されたがん対策委員会において、がん患者ならびにその家族へのより質の高い医療提供やきめ細かい支援を行っていくことが決定した。また、2009年12月には京都府から地域がん診療連携協力病院に指定され、がん診療連携拠点病院のない当医療圏での重要性はますます高まっている。今回は、第二岡本総合病院におけるがん化学療法の現状、終末期ケアを含めた緩和医療の地域連携、地域での役割や今後の取り組みなどについて副院長・外科部長・がん相談支援室 室長 清水 義博 先生にお話を伺った。
第二岡本総合病院では、2007年度より施行された“がん対策基本法(2007年4月1日施行)”を見据えて、2006年末、院内にがん対策委員会を立ち上げました。当院のがん対策に関するマネジメントの責任者である私は、まず事務局としてがん相談支援室を設置しました。加えて、がん医療は診断・治療から在宅ケアを含めた緩和医療までの幅広い領域を担う、すなわち院内の全部署・全診療科にまたがる問題であることから、その業務を細分化する必要があると考え、診療部門、化学療法部門、緩和医療・在宅ケア部門およびがん対策情報部門の4つの部門を本委員会の組織として設立し、2007年1月から活動を開始しました。
外来化学療法室は開設当初、リクライニングチェア2床と一般病棟のベッド6床を用いて運営していましたが、2009年10月にリニューアルし、現在はリクライニングチェア2床を含む専用のベッド7床を設置し運営しています(写真)。いまのところ外来化学療法室に専任の医師はいないものの、外科副部長の内山清先生を外来化学療法室長とし、各医師が当番制で対処しています。また、専任スタッフとしては、がん薬物療法認定薬剤師1名を含む2名を配置しています。なお、看護師については本年4月から専任制となりました。今後の課題としては、専任医師の配置、ならびにがん薬物療法認定薬剤師やがん化学療法看護認定看護師などの増員、養成が挙げられます。
リニューアル以降のひと月あたりの外来化学療法の施行件数は40件前後で推移しており(図1)、大腸がんや胃がんをはじめとする消化器がんの患者さんへの処方がその多くを占めています。なお、院内の登録レジメン数は外科32、泌尿器科4、婦人科3で稼働率はほぼ100%、このうち使用頻度の高い代表的なレジメンは、大腸癌のmFOLFOX6やFOLFIRI、これらにアバスチンを併用したものや、婦人科でのエピルビシン+シスプラチンなどといったレジメンです。
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