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こうした化学療法レジメンの登録にあたっては、当然のことですが十分な審査体制を整え対応しています。担当医はレジメンをまず薬剤部に申請し、そこで一次審査が行われます。次に、外科、消化器内科、婦人科、泌尿器科、放射線科および病理の各医師、看護師ならびに薬剤師で構成される腫瘍カンファレンス(月1回開催)にて症例やレジメンに対する二次審査を行い、最終的にがん対策委員会の組織の1つである化学療法部門において承認の可否が判断されます(図2)。
こうした審査体制において、たとえば消化器がんの領域ではガイドラインやエビデンスに沿ったレジメン申請がほとんどであるため、承認に際して問題がみられることは少ないのですが、婦人科、泌尿器科、脳外科などでは担当医独自のレジメンが申請される場合があります。ただ、こうしたケースに対し、エビデンスが少ないことを理由に採用しないということは基本的にありません。もちろん厳正な審査に基づいて承認、登録を行っていますが、副作用などの安全性の問題に関して院内のスタッフ全員が情報を共有化するという意味で、このような透明性を高めた審査体制の確立が不可欠であると考えています。
近年、大腸がんに対する抗がん剤として、ベバシズマブやセツキシマブといった分子標的治療薬が臨床導入されるようになり、当院でもこうした新規薬剤の処方は確実に増えています。そのため、特にこの2つの分子標的治療薬については、主治医、外来化学療法室長、薬剤師、看護師および医事部がチームを組んで対応しています。すなわち、治療導入前に患者さんならびにそのご家族に対し、スタッフ全員が揃って治療内容や治療スケジュール、副作用、そして保険点数や高額療養費制度について十分に時間をかけて説明することにしています(写真)。
外来通院が可能な患者さんに対しては、がん種に限らず初回治療は入院で行っています。以降は外来化学療法室を利用して頂くことになりますので、初回入院時において病室から1階にある外来化学療法室に移動してもらい、どういった流れで治療を受けるのかを実際に体験して頂くようにしています。また、分子標的治療薬のレジメンを行う場合は入院患者さんに対しても外来化学療法室を使用しています。
なお現在、リスクマネージメントの面ではインシデント・アクシデントレポートは院内のルールに従って作成することとしており、また、安全管理マニュアルは院内のシステムに準じたものを使用しています。そのため、外来化学療法室におけるより一層の医療事故防止対策を強化・徹底するうえでは、化学療法室独自のマニュアルを作成することが今後の課題といえますが、幸いなことに外来化学療法室の隣にはスタッフが常駐する救急室があり、安全確保に十分配慮した配置となっています。
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