消化器癌治療の現場から|消化器癌への様々な取り組みをご紹介します。

第10回 国立病院機構 京都医療センター 外来化学療法センター/腫瘍内科

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院内におけるがん薬物療法の指導的役割を担う腫瘍内科

写真1:外来化学療法センター室内

 たとえば、私の専門である消化器がんに関して言えば、当院に赴任した2006年4月以前は外科の医師が化学療法のほぼすべてを担当されていたわけですが、当時は新規の抗がん剤が次々に導入され始めた時期でもあり、複雑化する治療体系や副作用マネジメントの重要性から、腫瘍内科医の必要性が広く認識されるようになってきた頃でした。こうしたなか、私の赴任を機に腫瘍内科が新設されたことによって、外科の医師には本来の主たる業務である手術に専念していただくことが可能となり、また、それまで存在しなかった病院全体での化学療法に関する相談窓口としての役割や、外来化学療法の方向性を決定する役割が当科に一任されることとなりました。

 そのなかで、当科開設当初のもっとも大きな業務の1つは、すでに導入されていた電子カルテの機能を活用すべく、各診療科に協力を求めてレジメン登録システムを構築・整備することでした。現在行われているレジメン登録は、各診療科で使用するレジメンを薬剤科が窓口となっているレジメン小委員会に申請することから始まります。そして、月1回開催される化学療法委員会にて検討され、薬剤科と私で実務的な調整 (添付文書や他レジメンとの整合性チェック) を行い、登録作業を行います。

 もちろん、エビデンスレベルに関しては私のほうでも十分に吟味していますが、ガイドラインに掲載されていないようなエビデンスレベルの低いものであっても患者さんにメリットがあると考えられる場合は、各診療科の担当医と相談しながら登録することにしています。こうした一連の作業が完了すると各科にアナウンスされ、オーダーが可能となります。原則として登録レジメン以外の投与は認めていませんが、病態的に急を要するような場合にはレジメン登録外のオーダーも可能にするなど、柔軟に対応しています。

図3 診療科別利用状況

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