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佐々木: 患者さんには来院時の受付後に、まず中央処置室で採血をしてもらいます。そして、各診療科の待合いに移動いただき、診察前に各外来の看護スタッフがご自宅での様子などを伺って記録します。その後、検査結果が揃い次第診察となり、医師は検査値や看護スタッフが記録した患者さんの状況を確認し、治療の可否を決定します。治療が決まった患者さんには外来化学療法室に移動してもらい、医師から指示が出た抗がん剤などの調製の待ち時間に、私たち外来化学療法室の専任看護師がバイタルサインを確認し症状をお伺いいたします。血圧の測定とともに、ご自宅での様子を尋ねます。診察前の看護スタッフによる問診や診察中に医師に伝えられなかったこと、たとえば便秘しているといった場合には、再度診療科に問い合わせて下剤の処方を依頼します。
また、投与の際にはバーコードを利用した電子カルテで照合し、その後さらに患者さん本人の薬剤であるかどうかを一緒に確認したうえで治療を開始しており、治療中は私たち専任看護師が室内を巡回して、患者さんの状態に常に注意を払うようにしています。なお、外来化学療法室を初めて利用される患者さんや不安の強い患者さん、あるいはレジメン特有の副作用が起こりやすいとされるクールに入った患者さんについては、私たちがより目の届きやすいベッドを利用してもらい、適切で迅速な対処ができるようにするとともに、できるだけ早めにお話を伺って不安を取り除けるよう心がけています。
加藤: 治療自体の選択については、われわれ各診療科の医師が十分なインフォームドコンセントを行って、患者さんの意思を最大限に反映できるよう努めています。なお、場合によっては診察時に看護師に加わってもらい説明することがありますが、通常は外来化学療法室の初回利用時より、看護師から治療の流れ・薬の有害事象などのあらゆる情報について、ご理解・納得いただけるよう説明が行われます。
岡田: 初回利用時、患者さんの薬に関する質問が多い場合には、看護師とともに説明に加わります。しかし、初回の説明は看護師と重複する点が多く、患者さんも混乱してしまうと思われます。たとえば、内服による併用療法が必要な患者さんへの服薬指導は必須ですが、それ以外の場合には、われわれ薬剤師は2回目以降から、前回治療後に認められた副作用の確認、その時点で必要となる支持療法の説明、さらに副作用に対するセルフケア支援といった点に重点を置いて介入しています。
こうしたオリエンテーション、特に複数の抗がん剤を併用するレジメンについては、医師、看護師、薬剤師が共同で作成したオリジナルのパンフレットを用いて患者さんに説明しています (図3)。また、副作用の予防策を紹介したパンフレットも、症状別およびレジメン別に代表的なものを作成して、これらを適宜用いて説明します。
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