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伊藤: 相談支援センターでのがん相談では、患者さんやご家族の本音という部分がどうしても十分出てこないケースがあります。しかし、“メディカル・カフェ”では医療者との面談といった堅苦しさはなく、気兼ねなく話ができる雰囲気で、患者さんやご家族はもちろん、私たちスタッフも人間対人間として向き合える場として、本当に濃厚な2時間の交流ができています。
遠藤: 患者さんが自分の言葉で今の気持ちを語るには、ある程度時間が必要だったりするのですが、次第にうち解けて話ができるようになることで、患者さん・ご家族は互いに救われていくのではないでしょうか。また、そればかりか、私たちスタッフも逆に勇気づけられることが多く、大切な交流の場となっています。
佐々木: 各診療科の外来や外来化学療法室の待合いでは、患者さん同士でのコミュニケーションはなかなか取れないと思います。また、どのような場面でスタッフに質問したら良いのか分からないという患者さんもいます。しかし、こうした交流の場があることで、「気軽に先生や看護師さんに話ができた」と感謝して帰られる方をみると、本当に有意義な時間になっていると思います。
加藤: 外来でのがん化学療法が確立し、主流になりつつあるなかで、患者さん自身の生き方・過ごし方・時間のとらえ方といった点への考慮は、対処すべき大きな課題と言えるでしょう。つまり、化学療法を行うという選択肢がある一方で、行わないという選択肢、あるいはある程度行ってもそれ以上は進めないなど、今後患者さんの価値観によって化学療法に対する受けとめ方はさまざまとなり、非常に多様化した治療の時代がやってくると思います。
岡田: 安全な薬剤調製や適切なレジメン管理、患者さんへの服薬指導など、高い意識をもって日々の業務に取り組んでいますが、患者さんとのさらなる信頼関係を構築すべく、服薬指導にとどまらない専門性を生かした役割を果たしていきたいと考えています。また、内服薬のほとんどが院外処方せんのため、患者さんの服薬状況や副作用発現が不透明になりかねないので、地域の調剤薬局への充実した情報提供・共有といった体制作りがこれからの課題です。
佐々木: スタッフのさらなるレベルアップはもとより、患者さんから電話相談を受けることが多いので、より適切な対応をとれるよう研修会でのスキルアップを図ることで、該当の診療科との連携を密にしていこうと考えています。
伊藤: 医療相談室では、化学療法の変更や中止を告げられた後の相談窓口として、患者さん・ご家族と話し合って最善策を模索し、地域の施設や在宅スタッフとの調整などによって、より満足できる生活を送っていただけるよう努めています。しかし、地域における医療・ケアの均一化やさらなる質向上は、これから取り組んでいかなければならない重要な課題となっています。
遠藤: 多職種のスタッフが、早期から患者さんやご家族のニーズに対応し関わることが、がん治療を支援するうえでの信頼関係の構築においても大切だと考えています。ですから、こうした点を外来においてもより強化・充実できるよう努めていきたいと思っています。 (スタッフ集合写真)
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