消化器癌治療の現場から|消化器癌への様々な取り組みをご紹介します。

第13回 富山県立中央病院 通院治療室

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院内での連携強化に向けた取り組みと総合病院の強みを活かした医療提供

堀田: 院内には、がんに関するさまざまな相談が受けられる医療相談室を設置しており、多くのがん患者さんやそのご家族が利用されています。もちろん必要に応じて通院治療室や各診療科のスタッフなどの他職種と連携しながら悩みや不安の軽減に取り組んでいるのですが、相談室でのわれわれとは異なる視点からのアドバイスは、患者さん・ご家族にとって大きな支えの1つとなっているようです。
 また、2010年9月より、医療相談室が主催するがんサロン“ひとやすみ”が月1回のペースで開かれており、患者さん・ご家族の交流・情報交換の場として活用されています。

平井: それに、乳がんの術後後遺症を中心としたリンパ浮腫、大腸がんのストーマ管理な ど、化学療法に関する問題だけでは解決できない点について、専門的な知識と技術を持った専門看護師や認定看護師が対応する看護専門外来が2011年5月より開設されています。がん相談や乳腺相談を行っている乳がん看護認定看護師の酒井さんとは、われわれ通院治療室や各診療科の医師と連携を緊密に持ちながら、患者さんへのきめ細やかな医療を提供する体制を整えています。
 そして、院内におけるさらなる連携強化を図るため、高島さんには病棟の看護師を対象に、化学療法の副作用対策をテーマにしたセミナーを継続的に実施してもらっています。これによって、病棟看護師による入院時の化学療法のスキルアップ・レベルアップにつながっていると感じています。

高島: 院内では垣根のない非常にスムーズな連携・協力体制が築き上げられているので、治療中に何か問題が起きた場合でも各部署に速やかで適切な介入をしてもらえるようになっています。

堀田: つまり、さまざまな合併症を抱えている患者さんは非常に多く、しかも高齢になればなるほどその頻度は高まるため、各診療科の専門医が速やかに対処できるという総合病院の強みが存分に発揮されていると言えます。

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