消化器癌治療の広場 GIcancer-net
北海道釧路市にある釧路ろうさい病院は、釧路、根室、十勝、網走の4支庁にまたがる道東地区唯一の労災病院として、地域の勤労者および住民への質の高い医療提供に努めている。平成21 (2009) 年4月には地域がん診療連携拠点病院の指定を受け、がんの的確な診断から高度ながん手術の実践、侵襲性のより低い内視鏡的切除術や腹腔鏡下手術等に積極的に取り組み、進行例に対する化学放射線療法やQOL向上を目指した緩和医療にも尽力し、道東でのがんセンター的役割を果たしている。そこで今回、釧路ろうさい病院 副院長 宮城島 拓人 先生をはじめ、看護師、薬剤師の立場から見た外来化学療法の現状や今後の展望についてお話を伺った。
宮城島: 釧路ろうさい病院でのがん診療では、乳がん、大腸がん、膵・胆・肝がんが多く (図1)、これら患者さんへの外来化学療法としては外科および内科が中心となって、それに泌尿器科が加わる形で施行されています (図2)。
外来化学療法室は、外来化学療法加算に関する診療報酬が改定された平成18 (2006) 年4月より8床で運営を開始しました。しかし、それより以前も患者さんのニーズと立場に立った医療を提供すべく、各診療科の外来でひと月あたり100件のペースで化学療法を行っていました。正式な開設に至ったのは、外来化学療法加算の改定が契機になっただけでなく、がん治療の本質をさらに深くとらえて取り組まなければ「がん医療水準の均てん化」を推進することができないと考えたからです。
当外来化学療法室における化学療法施行件数は年々増加しています (図3)。平成23 (2011) 年7月には11床 (リクライニングチェア8床を含む) へと増床したものの、現況ではひと月あたり300件を超えるまでに増えているため、ベッドをいかに効率良く回転させるかといった点について、看護師が中心となって工夫を凝らし対処しています (写真)。
専従スタッフは配置していませんが、医師2人、がん化学療法看護認定看護師2人を含む看護師3人、それとがん薬物療法認定薬剤師1人の計6人が専任スタッフとして日常業務にあたっています。
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