レジメン講座 | 抗癌剤併用レジメンの投与法を解説します。

Capecitabine+CDDP(XP)

Kang YK, et al.: Ann Oncol. 20(4): 666-673, 2009
Nishikawa K, et al.: Eur J Cancer. 101: 220-228, 2018
Yamaguchi K, et al.: Gastric Cancer. 16(2): 175-182, 2013

経口のフッ化ピリミジン系代謝拮抗剤であるCapecitabineをday 1-14に内服し、白金製剤であるCDDPをday 1に投与する3週間1サイクルの治療法である。切除不能・再発胃癌に対する1次治療として5-FU+CDDP(FP)群に対するCapecitabine+CDDP(XP)群の非劣性を検証した第III相試験1)でFP療法に対する非劣性が証明されたほか、切除不能・再発胃癌に対する1次治療として、XPとS-1+CDDP(SP)を比較した第II相試験(XParTS II試験2))でも同等の有効性を認めている(PFS中央値:XP群5.6ヵ月、SP群5.1ヵ月、OS中央値:XP群13.5ヵ月、SP群12.6ヵ月)。AVAGAST試験やToGA試験での標準治療の一つとしても使用されており、日本人のサブ解析ではSPとほぼ同等の有効性を認めた3)

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■有効性1)

主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の中央値はXP群で5.6ヵ月、FP群で5.0ヵ月であり、HRの95%信頼区間の上限は非劣性マージンを超えなかったため、非劣性が証明された(HR=0.81、95% CI: 0.63-1.04、非劣性マージン1.25、p<0.001)。副次評価項目である全生存期間(OS)の中央値でもXP群10.5ヵ月、FP群9.3ヵ月と同様の有効性を示した(HR=0.85、95% CI: 0.64-1.13、非劣性マージン1.25、p=0.008)。

  XP
(n=160)
FP
(n=156)
HR
(95% CI)
P値
PFS 5.6ヵ月 5.0ヵ月 0.81
(0.63-1.04)
<0.001
OS 10.5ヵ月 9.3ヵ月 0.85
(0.64-1.13)
0.008
奏効割合 46% 32% - 0.020

■安全性1)

Grade 3以上の有害事象の発生割合は50%以下で、白血球減少(16%)、嘔吐(7%)、下痢(5%)、手足症候群(4%)が主な有害事象であった。

レジメン解説執筆:国立がん研究センター中央病院 消化管内科 喜多 昭介 先生

References

  • 1) Kang YK, et al.: Ann Oncol. 20(4): 666-673, 2009[PubMed
  • 2) Nishikawa K, et al.: Eur J Cancer. 101: 220-228, 2018[PubMed
  • 3) Yamaguchi K, et al.: Gastric Cancer. 16(2): 175-182, 2013[PubMed
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